アメリカ沿岸警備隊が「クレイジー」と賞賛

もちろん、アメリカ沿岸警備隊は世界に冠たる実力を備えた組織ですが、その彼らからも海上保安庁の実力は極めて高く評価されています。

奥島高弘『知られざる海上保安庁 安全保障最前線』(ワニブックス)
奥島高弘『知られざる海上保安庁 安全保障最前線』(ワニブックス)

現在、アメリカ沿岸警備隊とは「サファイア」という名称で合同訓練をやっています。その合同訓練において、海上保安庁がゴムボートで犯罪容疑船舶を挟撃して捕まえるという操船技術を披露した際、アメリカ沿岸警備隊の職員は「クレイジー」という最大級の褒め言葉を発しました。「海上保安庁はこんなことをやるのか⁉」と驚いたのです。

もっとも、アメリカ沿岸警備隊の場合、こうした対応のリスク(接触による転覆等の事故など)を取るよりも、武器の使用が選択されるでしょう。海上保安庁は武器の使用を厳格な基準のもとで運用しているので、逆にそういう技術が自然と身に付き、洗練されていったのです。

香港からの不法上陸者を捕まえた“神業”

海上保安庁の高い能力は、訓練だけでなく現場でもしっかりと発揮されています。

2012年8月に香港の活動家らが尖閣諸島・魚釣島への不法上陸を強行する事件があった際には、海上保安庁の巡視船2隻が逃げていく活動家船舶(啓豊二號)を両側から挟んで動きを止めたことがありました。

操船に詳しい人が見れば、これはまさに“神業”というしかありません。

海上保安庁のこうした技術・能力は各国のコーストガードからも極めて高い評価と称賛を得ています。

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