接続詞として用いるのが正しい使い方

閑話休題

中国の小説に「四大奇書よんだいきしょ」と呼ばれるものがあります。『三国志演義さんごくしえんぎ』『水滸伝すいこでん』『西遊記さいゆうき』『金瓶梅きんぺいばい』です。「奇書」というのは、「世にもまれなほど卓越した書物」という意味です。

さて、そんな複雑な話を描く小説には、必ず「脇道にそれての説明書き」が必要になってしまいます。

閑話休題かんわきゅうだい」とは、『水滸伝』に由来する言葉です。

『水滸伝』には「閑話休題、言正話乎」、読みくだすと「閑話を休題し(脇道にそれた話を止めて)、正話せいわを言わんや」という言葉で使われています。

現在の日本語で「閑話休題」と言うと、「本題から脱線した話をする」という使われ方をされることがありますが、じつは、これは本来の意味とはまったく逆なのです。

話が横道にそれてしまったことを示したいときに、是非、使ってみてください。

「閑話休題」の正しい使い方の例文を紹介しましょう。

「閑話休題(雑談はさておき)、先ほどの議事に戻りましょう」
「閑話休題(ここまでの話は前置きです)、さて、ここからが本題です」
「閑話休題(いろいろな事情はありますが)、規則について本気で話し合いましょう」

このように、前置きとして「閑話休題」を使い、円滑な会話や文章を構成しましょう。

本当に感動したときには、身体が震え、思わず涙が出て来る

鳥肌が立つ

人の身体の感覚というのは本当に不思議なものですね。ゼロコンマの速さで、目に入ってくる小さな虫の侵入を阻んだり、本当に小さな石でも足の裏にあると歩きづらさを感じたりします。

ところで、みなさんはどんなときに、自分の両腕の肌が、羽を取ったニワトリの肌のように、毛穴の周りが盛り上がったように見えますか。

いわゆる「鳥肌が立つ」現象です。

鳥肌
写真=iStock.com/Antonio_Diaz
※写真はイメージです

最近の若い人は、「鳥肌が立つほど感動した」と頻繁に言うようですが、じつは、人は感動したときには鳥肌は立ちません。

鳥肌が立つのは、人が寒気のするような恐怖を感じたときです。あるいは、強い寒さ、悪寒を感じた場合に限るのです。

そもそも「鳥肌が立つ」という言葉は、「寒さや恐怖によって皮膚が収縮すること」を意味します。「鳥肌」は「鳥の皮膚」を意味し、「立つ」は「毛が逆立つ」という意味です。つまり、「鳥肌が立つ」とは、鳥の皮膚のように毛が逆立つような状態を指します。

これは、毛穴の根元にある立毛筋りつもうきんという筋肉の収縮によって引き起こされます。立毛筋は、寒さから体を守るために毛穴を閉じ、体温を逃がさないようにしてくれるのです。

本当に感動したときには、身体が震え、思わず涙が出て来ます。

「鳥肌が立つほどの感動」というのは、芸人さんが感動を大げさに表現しようとして使われた、間違った日本語なのです。