ダンブルドア校長も原作ではあまり性格は良くない
――シリーズで最も魅力的だと思うキャラクターは誰ですか?
【ニシダ】難しいですね……。というのも正直、シリーズに登場する人物は全員、ある程度クズだと思うんですよ。
主人公・ハリーの父のジェームズ・ポッターは、学生時代、同級生だったスネイプ(後にホグワーツの教師)をえげつないほどいじめていたし、とはいえ、そのスネイプにもいじめられてしかるべしな理由もあります。ハリー自身も、他人に意地悪をしてほくそ笑んだり、ただの正義感の強い人間じゃないです。完璧な善人とはいえない。
だから誰が好きかと聞かれると、全員そんな好きではないですね。
聖人のようなイメージのあるホグワーツのダンブルドア校長も、あんまり性格良くないし、すぐにハリーがいる寮(グリフィンドール)を贔屓する。
強いて言えば、マクゴナガル先生ですかね。普段は厳格な教師なのに、クィディッチのことになると熱くなって課題を無くすみたいな人間らしさがあります。公と私のバランスが嫌な感じじゃなくて、チャーミングです。
ハリーの父・ジェームズの蛮行
――主人公のハリー・ポッターは小説ではどう描かれているのでしょうか?
【ニシダ】とにかくハリーの父親のジェームズがよくない。
同級生を下着姿にして木に吊るすなんてイジメは、今だったら教育委員会が動くレベルです。ジェームズの父親(ハリーの祖父)は「直毛薬」で特許をとって財産を築いた人物です。ジェームズは裕福な家庭の子、ボンボンなんですよ。その恵まれた環境ゆえの傲慢さというか、海外のスクールカーストのトップにいるやつの嫌な感じのキャラ、としても描かれています。
その血が影響しているかはわからないですが、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』では、大人になったハリーが描かれますが、とにかく自分の子どもに対しての接し方が良くない。
魔法学校に入った息子がスリザリン寮に入ることになったことに対して、僕の意訳ですけど、「あ〜、もううちの子じゃありません、お前なんか産むんじゃなかった」的なことを言うんですよ。
ハリーは幼少期に両親を亡くしていたこともあって、子どもとの接し方がわからなかったということなんでしょうか。
逆に、ハリーのライバルだったマルフォイはすごいいい親父になっていて、ハリーのことを「お前良くないよ」と諭しています。
ジェームズのせい、とまでは言わないですけど、もしジェームズがもう少しいいやつだったら、魔法世界はもう少し丸く収まっていたんじゃないでしょうか。その辺も映画だとちょっとだけしか描かれていないんですよね。

