お笑いコンビ「ラランド」のニシダさんは、『ハリー・ポッター』シリーズの大ファンで、自らを「原作厨」と称している。どこに魅力があるのか。原作の魅力と映画との違いについて聞いた――。(前編/全2回)

ファンタジーなんだけどリアリティ色が強い

――『ハリー・ポッター』シリーズと他の作品との違いについて教えてください。

【ニシダ】世界観の構築のレベルがケタ違いだと思います。僕たちが生きている現実世界の裏側に、本当にああいう魔法世界があるのかもしれないと思えるほど細かく作り込まれていると思います。

例えば、作品に登場する魔法生物や、魔法省やグリンゴッツ銀行などの組織には、非常に細かい設定があり、ファンタジーなんだけどリアリティ色が強い。

登場人物のキャラクターも表面的な関係を描くだけじゃなくてドロドロした裏側の心理も描かれているので、その世界観にのめり込みました。

ハリーポッターシリーズ初の公式舞台劇『ハリー・ポッターと呪いの子』が行われているパレスシアター
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ロード・オブ・ザ・リング』など他の名作といわれるファンタジーは面白くても、僕たちが生きている世界とは全く別物、という印象を受けるものが多い。その点、ハリー・ポッターは、もしかしたら魔法の世界はあるんじゃないかと、今でも信じられる。

これは小説を読んでいる人ならわかるんですが、ハーマイオニーを「栗色でボサボサな髪の前歯がやや大きい女の子」と書かたり、スネイプ先生を「育ちすぎたコウモリのよう」と表現するなど、登場人物の容姿を独特の表現でくさす意地悪な文章の書き方は、個人的に好みでしたね。