「他人は自分の価値を知らない」ことを常に忘れないこと

しかし今、私の人生は多様な人間関係のおかげで限りなく豊かになっている。それは、単純接触効果を超える方法やマルチプレックスを研究するために、費やした時間のおかげである。

ジョン・レヴィ『影響力の科学 ビジネスで成功し人生を豊かにする最上のスキル』(KADOKAWA)
ジョン・レヴィ『影響力の科学 ビジネスで成功し人生を豊かにする最上のスキル』(KADOKAWA)

その始まりは、影響力の大小にかかわらず、人々とつながりを持つためには、2つの重要な要素を理解する必要があるということに気づいたことだった。

1 私たちの存在に気づいてもらう方法:誰も知らない人から面談の申し出を受けたり、商品を買ったり、知らない非営利団体に寄付したりはしないし、学生も聞いたことのないクラブで宣誓しないだろう。

2 私たちと関わりたいと思ってもらう方法:たとえ彼らが私たちや私たちの製品、活動、組織について聞いたことがあったとしても、お金を払ったり関わったりするのには、十分な価値を見いだす必要がある。

これらの要素を理解することで、私たちは誰とでもつながることができる。覚えておいてほしいのは、誰かが私たちに出会う前は、私たちが誰なのか、私たちがどれほど素晴らしい人間なのかを、おそらく知らないということだ。

自分の立場からは、自分らの輪の一員になりたくないというのは想像しにくいかもしれないが、しかし実際には、ほとんどの人々とつながるためには、彼らが何に価値を置いているかを知る必要がある。

1:“The Missing Piece: Mona Lisa, Her Thief, the True Story,” IMDb.com, October 20, 2012.

2:Noah Charney, “Pablo Picasso, Art Thief: The ‘Affaire des Statuettes’ and Its Role
in the Foundation of Modernist Painting
,” Arte, Individuo y Sociedad 26, no. 2 (2014):
187-198.

3:James Zug, “Stolen:How the Mona Lisa Became the World’s Most Famous Painting,”
Smithsonian Magazine, June 15, 2011.

4:Zug, “Stolen.”

5:NPR staff, “The Theft That Made The ‘Mona Lisa’ A Masterpiece,” NPR. Ac-cessed August 12, 2020.

6:トーマス・J・アレン、グンター・W・ヘン著、糀谷利雄、冨樫経廣訳、株式会社日揮監修、『知的創造の現場 プロジェクトハウスが組織と人を変革する』ダイヤモンド社、2008年

【関連記事】
「それって感想ですよね」は理屈がおかしい…「屁理屈で論破してくる人」を一発で黙らせるシンプルな返し方
「低俗なポルノ」「無類の悪文」と酷評の嵐…「源氏物語」の評価が戦後にガラリと変わったワケ
なぜローマ帝国はあれほど栄え、そして滅びたのか…最新研究でわかった「どちらも気候変動」という意外な答え
なぜわざわざ「苦手な親戚」に会う必要があるのか…社会学者が「帰省がしんどい」と言う人に伝えたいこと
外国人は「電車内の過剰アナウンス」に嫌気がさす…日本自慢の「丁寧すぎるおもてなし」が逆効果になるワケ