「マテ茶を知っている」を日本国民の50%にするPR活動

あまり知られていないのですが、マテ茶の成功の大きな要因になった取り組みがありました。マテ茶を世に送り出すことが決まったとき、マテ茶についてのリサーチをしたことがあったのです。

シンプルに「マテ茶を知っていますか」というものでしたが、「聞いたことがある」という人が10%くらいでした。2012年3月に「太陽のマテ茶」をローンチするにあたり、このときまでに「マテ茶を聞いたことがある」という数字を、日本国民の50%にしよう、という目標を立てたのです。

そこでブラジル大使館、さらには日本マテ茶協会と組み、マテ茶を世の中に知ってもらう取り組みを進めました。というのも、当初使おうとしていた“飲むサラダ”“飲む野菜”という表現は、法的にできないことがわかったからです。でも、健康なお茶であることはなんとか伝えたい。

大使館や協会から「こんな面白い素材があるので、記事にしませんか」というプレスリリースを送ってもらったりしました。そうすると、実際に女性誌の取材が来たりするのです。さらに「マドンナが自分の美のためにマテ茶農園を持っている」という事実を発信したりしました。

マテ茶
写真=iStock.com/RHJ
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マテ茶の認知率は45%くらいまで上がった

今も覚えているのが、当時の人気番組「なるほど!ザ・ワールド」が賛同してくれて、アルゼンチンロケで「現地でみんなが飲んでいるお茶」としてマテ茶を紹介してくれたことです。しかも、クイズの答えとして。

最終的に「太陽のマテ茶」導入直前の3月半ばには、マテ茶の認知率は45%くらいまで上がっていました。これもまた、「太陽のマテ茶」大成功の要因の一つだったと思っています。こういうことも、マーケティングの大切な一部の要素なのです。

1000万ケースを超えるほどの爆発的な成功になったことには、もう一つ、理由があります。品切れを起こさない生産在庫管理計画を綿密に立てたからです。「どれくらい売れそうか」という事前のリサーチを通じて、販売するケース数が出てきます。「太陽のマテ茶」では、年間で700〜800万ケースという数字が出てきました。

しかし、もしこの数字をそのまま採用して製品を製造していたら、早々に品切れを起こしていたはずです。そうなれば、あれほどの数字は出せなかった。