理想のキャリアプランを辿っていない人ほど幸せを感じている
多くの人は、お目当て(目標)に向かって最短距離でお店に向かいます。ところが、やりたいことが見つかる人は意外にも「寄り道」が多いのです。
いわゆる「自分探しの旅」も同じです。
インドに行こうが世界一周をしようが、探そうと気負うと見つからないことが多かったりします。むしろ、なんの計画もなく、観光のつもりで行った先で、ふと「自分にはこんな適性があったんだな」と発見することが、非常に多いのです。
オックスフォード大学が発表した有名な理論「プランドハップンスタンス理論」は、この現象を裏づけるものです。
仕事に幸せを感じている人を調べてみると、あらかじめ思い描いたキャリアプランとは無関係に、ほとんど「偶然」にその仕事と出合っていることがわかったのです。(※2)
「なぜこれが好きなのか」自分の感情を理解する
1つの傾向として、覚えておいてください。
意識(理屈)的に探そうとすると視野が狭くなり、感覚で探そうとすると視野が広くなります。
たとえば、素晴らしい景色を前にしたときのことを想像してください。視点は一点に集中せず、全体をぼんやりと見ているはず。
人は、感覚的になると視野が広がり、多くの情報をキャッチできるのです。逆に、理屈っぽい人は視野が狭くなります。
頭が良く、ロジカルな人は意識しないと感覚的になれないのです。
でも、安心してください。
普段は理屈っぽい人も、好きなことをしている時間は、自然と感覚的になれるからです。ただし、ここでも「自分の得たい感情にフォーカスする」考え方が重要になります。それをしないと、どんなに多くの情報をキャッチできても、何が自分のやりたいことにつながるのかわからず、スルーしてしまうでしょう。
逆にいえば、自分の得たい感情さえ理解しておけば、どんなことをしていても、やりたいこと探しに利用できます。
たとえば、サッカーが好きな人は、なぜサッカーが好きなのでしょう?
あるいは、なぜ野球が嫌いなのでしょう?
私のクライアントに「打順を待つのが面倒くさい」から野球はいやだ、という人がいます。その人は、もっと展開が速いスポーツが好きでワクワクする。だからバスケやサッカーが好きなのだといいます。
さらに、過去を振り返ってみると、その人は「スポーツに限らず、なんでも展開が速いものが好きだ」と自己理解が進んでいきました。
遊園地ではジェットコースターが大好き。映画も情緒的なものだと眠くなってしまうそうです。
仕事も、成果が出るのが遅いのはイヤだったとか。これとは少し違いますが、私にも似た部分がありました。