なぜ「貯蓄・投資目的」で保険に入ってはいけないのか

果たして、「資産を増やしたい」と考えるケイコさんにとって、保険で運用しようとするのは、本当に効率的なのでしょうか?

答えは「NO」。

確かに、変額保険には「保険としてのメリット」はあります。運用が不調でも最低保険金が保証されていること、保険料免除特約が発動したとき、保険料の払い込みがあったものとして保障と運用が続くこと、生命保険料控除(上限額あり)があることなど。

しかし、「保障目的」ならまだしも、純粋に「貯蓄目的」だけなら、保険に入って運用するより、自分でiDeCoなり2024年から始まった新NISAなりで投資する方がムダはなく、実入りも圧倒的な差が生じます。ドルで資産を持ちたければ、自分でETFを買えばいい話です。

契約内容の確認通知に赤で丸をつけている手元
写真=iStock.com/Yusuke Ide
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筆者がNOという最大の理由、それは保険で運用すると、想像以上に高い手数料を取られるから。販売手数料をはじめ、信託報酬手数料、運営費用など。毎月の保険料から、こうしたコストと保障に対する料金を引かれると、実際運用に充てられる資金は支払保険料のうち、ごく一部になってしまいます。

同じ月2万5000円を出すなら、自分で、非課税枠で投資した方が、投資に充てる母数が大きい分、リターンも大きい。大ざっぱに言えば、2万5000円を運用するのと、1万円を運用するのとどっちが増えますかという話です。

そもそも、24歳のケイコさんに死亡保障は必要かということもきちんと考えるべきです。死亡保障は、万一自分の身に何か起きたとき、遺された家族に生活費や教育費を使ってもらう、あるいは、自分の葬儀代などに充ててもらうことが大きな目的とされています。

現在、24歳独身のケイコさんが死亡する確率は極めて低く、両親も現役であることから、誰かにお金を残さなければいけない理由はありません。これが仮に男性であっても、この年齢で独身ならば、同じことが言えます。