「定点観測をしていれば景気が読める」「10分あれば報道の真相がわかる」震災の復興シナリオから企業の大型合併、不況下で高い利益率を誇る業界の仕組みまで、世の中の事象を正しく見るコツを数字のプロが解説する。

数字に慣れると世の中が見えてくる

「景気が上向いてきた」「かなり売れています」「だいぶ売り上げが落ちている」など、感覚でモノをいう人が世の中には大変多い。しかし私の場合、それを鵜呑みにすることはありません。「かなり」って具体的にいくらかと思うからです。自分で数字を見ないと信じないことにしています。

感覚的な表現に行き当たって「本当かな?」と思ったら、数字で確認する。景気指標も企業の業績も、いまはネットで簡単に取ることができます。数字を見ながら一つの仮説を立てて、それを検証するために、さらに詳しい数字を追いかけていく。