キッチンから「無くしたストッキング」が出てきたAさん

過去の片づけの依頼で私が忘れられないのが、キッチンから新品のストッキングが出てきたAさんのエピソードです。パントリーのすき間から出てきてビックリしました。

「奥さん、ストッキングが出てきましたよ!」と言うと、Aさんが「ああ……」と脱力。

よくよく話を聞くと、子どもの卒業式にストッキングが必要で、前日に買い物に行ったときに食品と一緒に購入。が、買い物から帰ってくると、夕飯の準備でバタバタしたそうです。食材は冷蔵庫に、ストッキングはどうせ明日履くからと適当にすき間に入れたといいます。その時点で、もうどこにストッキングを収納したか、頭にないわけです。

そして翌朝、昨日買ってきたストッキングがないないと大騒ぎして、コンビニにあわてて買いに走ったといいます。安く買ったはずなのに、なぜかコンビニで高いものを買うことになってしまいました。その数カ月後に、私がパントリーからストッキングを発掘したというわけです。

「無駄買い」は未来への不安や期待

結局、物の管理ができていないから、どんどん買って物が増えていくのです。その心理的背景にあるのは「もったいない」「便利かも」「また使うかも」、といった未来への不安や期待です。

保冷剤や保冷バッグなら、適量あればいい。たとえばキャンプが趣味の人は、保冷材はある程度の個数を冷凍庫に入れて、時期が過ぎたらキャンプグッズと一緒に収納しておきます。保冷バッグも1、2枚あれば十分。いつか使うかもではなく、使う意図があるからとっておく、いつか使うか明確な目的があるなら、とっておいてもよいと思うのです。

トラベルグッズもそうですね。ストックはそんなにいらないし、アメニティなんて持ち帰っていつ使うのでしょうか。家でホテルの歯ブラシで歯磨きしないですよね。あったら便利と思ったら、それ本当? いつ使うの? と自分に問いかけてみてください。

日焼け止めやUVグッズを次々買ってしまうのは、定位置管理ができていないからです。出かけるときに日焼け止めを持っていき忘れて、出先で買う。そしてバッグの内ポケットなど適当なところに入れる。そしてバッグをかえると、またないから出先で買う。だから溜まっていくのです。ポケットに入れたアームカバーも同じです。

日焼け止めはバッグの中の化粧ポーチに入れる、アームカバーはクローゼットの引き出しに入れる、といつも入れておく場所を決めておけば、何個も買うことはなくなるでしょう。

私の場合、アームカバーや帽子、扇子などは、玄関クローゼット内の引き出しに入れています。出かけるときに持ち歩きたいものが靴を履いても、すぐにとれるようになっているので、「忘れた!」となっても、靴を脱がなくていいんです。冬になると、中身がカイロや手袋に入れかわります。

日焼け止めは、使う場所に置いておくのがおすすめ。顔用なら化粧をするタイミングで塗るので、コスメグッズと一緒に。ボディ用は朝シャワーを浴びた後とか、着替えるタイミングなど……、ご自身の塗るタイミングによって洗面所やクローゼットに置いておくと良いでしょう。