他人に親切にすればするほど幸せになれる

【先生】「つながりの幸福物質」であるオキシトシンは、別名「親切の物質」とも呼ばれています。親切をされても、自分から人に親切にするときにもオキシトシンが出ます。

【ゆかり】なんだか人に親切にしたくなってきました! どんなことをしてあげたらいいかなぁ?

【先生】そんなにおおげさに考えなくて大丈夫ですよ。道を聞かれたら丁寧に教えてあげるとか、電車でお年寄りや妊婦さんに席を譲るとか、家族が担当している家事を積極的に手伝うとか、同僚の仕事を手伝うとか。他者貢献としてできることはたくさんあります。

【ゆかり】知らない人でも身近な人でも誰でもいいのなら、けっこういろいろありそうですね。

【先生】情報を提供するのも親切の1つですよ。便利なアプリやおいしいお店を教えてあげるのも喜ばれます。SNSなどで面白かった映画や本、漫画の感想を投稿するのもいいですね。気になっている人には貴重な情報になりますから。

【ゆかり】それでもいいんですか! でも、みんなが見えるところへ感想をアップするのってけっこう勇気がいるなぁ。ちょっと恥ずかしいかも。

【先生】だからこそ、価値があるんですよ。みんな、否定されるのが怖くて自分の意見をなかなか発信できないのかもしれません。でも、情報をギブすることは、これからの時代、非常に有意義なことです。人に役立つ情報を投稿するのは、親切であり、立派な他者貢献です。情報発信を通じての人との交流でも、お互いにオキシトシンが出ますしね。

他人への親切は1~3年後に帰ってくる

【ゆかり】情報提供、意識してみます。そうだ、他者貢献といえば、ボランティアもあてはまりますよね?

【先生】そうですね。ただし、ボランティアをするときはあまり自己犠牲的にならないように気をつけてくださいね。

【ゆかり】え? ボランティアってそもそも自己犠牲なんじゃ……?

【先生】そういう一面もありますが、自分を犠牲にしたあまりにも献身的すぎる他者貢献は、精神的に燃え尽きやすいんです。自己犠牲的なボランティアをするなら、時間や労力の面であらかじめ限度を決めておいたり、周囲からのサポートを受けたりするようにしたほうがいいでしょう。

【ゆかり】なるほど。無理のないように、ということですね。

【先生】そうです。ところで、「親切」はいつか巡り巡って返ってくるものでもあるんですよ。

【ゆかり】そうなんですか? ブーメランみたいに?

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【先生】人に親切にしたことによる自尊感情の高まりや充実感はもちろんですが、人には「返報性の原理」という心理がありまして。「親切にされたらお返しをしなければ」という気持ちがわき起こりやすいんです。

【ゆかり】その気持ち、わかる気がする。「こんなにしてもらっちゃって、なんだか悪いなあ」って思うこと、ありますもんね。

【先生】お礼としてすぐに返ってくることもあれば、数年後によくしてもらえることもあります。私の実体験では、人への親切はだいたい1~3年で返ってきますよ。つまり、あらゆる方面への他者貢献を1年以上続けていると、継続的にいいことが返ってくるということですね。

【ゆかり】親切の連鎖ですね。すごく幸せになれそうな感じがします。

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