川勝知事の「心よりお詫び」の内実

まず12月県議会を振り返る。

筆者撮影
静岡県議会最終日の様子、委員長報告が行われている。

9月県議会から先送りされた「東アジア文化都市事業に関わる不適切発言」について、県議会初日の1日、川勝知事は「今回の発言は、東アジア文化都市のレガシー創出に向けた思いを語ったのであり、現時点で何も決まっていない」として、発言の訂正を拒否した。

このため、6日の本会議では「知事は、『三島を拠点とした東アジア文化著都市の発展的継承センター』『詰めの段階』との発言を速やかに訂正するとともに、知事としての発言の重みを十分に意識し、今後は決して、軽率、不用意な発言をしないよう改めて求める」など、不適切発言の訂正を求める決議案が全会一致で可決された。

その直後に、川勝知事は「県議会から決議をいただく状況」に対して「大変重く受け止めている」ので、「心よりお詫びする」と謝罪した。

「不適切発言」問題は雲散霧消

県議会決議は、「不適切発言」を認めた上で、訂正して反省することを求めているが、川勝知事は「不適切発言」の訂正を拒否した。あまりにも不可解な謝罪となった。

「県議会決議」に対してという、何ともわかりにくい謝罪をした後、川勝知事は「不適切発言」の端緒となった「三島市を拠点とする東アジア文化都市の発展的な継承センター(事業)を白紙にする」として、不適切発言の火元すべてを消した。

「不適切発言」を認めて、訂正することを拒否した理由などは、「『心よりお詫び』はするが、『不適切発言』の訂正は拒否…川勝知事が『口先だけの謝罪』を繰り返す本当の理由」に詳しく紹介した。

「不適切な発言があったならば辞職する」と発言した川勝知事に対して、「不適切発言」を認めるよう求めることはできたはずだが、県議会ではうやむやにしてしまい、最後は矛を収めるかっこうとなった。

つまり、今回の「不適切発言」問題は雲散霧消してしまった。