業務命令には「黙示の命令」も含まれる
例えば、会社からは指示がなかったものの、残業せざるを得ない状況に置かれて自主的に仕事をする、または管理職が残業を黙認している場合は、黙示の業務命令があったと判断されやすいです。
そのため、実際にタイムカードを打刻した時間以外でも会社から命じられた(黙示の命令を含む)業務を行っている場合は労働時間になる可能性があります。
忘年会の時間が労働時間にあたるには、忘年会の時間が指揮命令下におかれていると判断される必要があるのです。
では、忘年会が「指揮命令下に置かれている」=「仕事」と判断できるのはどのような場合でしょうか。
忘年会が「仕事」になるかどうかは、下記がポイントになります。
・参加が強制されている
・会の目的と仕事との関連性が強い
・参加しないことに対する不利益がある
・参加費用を会社が負担している
これらに当てはまる要素が多いほど、労働時間として判断される可能性が高くなります。
店の手配などの幹事業務は「仕事」
例えば、下記のような場合は基準に当てはまる可能性が高いです。
・会社が会場を指定している
・お酒を飲みながら会社の業績発表を行う
・必ず出席するようにと通達されている
・正当な理由がないと欠席は認めない
・欠勤すると人事評価上の不利益がある
また、幹事は仕事として判断されやすいです。
会社から幹事を任されている人は、幹事をやることが会社からの業務命令と考えることができるからです。
例えば、忘年会準備のために店の手配をしたり、余興の練習をしたりするケースでも会社が命じたのであれば、社員とっては事実上強制参加となり店の手配や余興の準備時間も含めて仕事になります。
忘年会が仕事と判断されると、忘年会の時間は労働時間になり残業代の支給対象となります。