阪神タイガースの日本一記念パレードに、大阪府と大阪市が職員約2400人を無給で動員することに批判が集まっている。弁護士の菰田泰隆さんは「自由参加をうたっていても、事実上参加が強制されていたり、参加の是非が人事評価に影響したりするのであれば、それは『労働』であり、無給には問題がある」という――。
雨の中で行われた阪神タイガースの優勝パレード(2005年11月6日、大阪市の御堂筋)
写真=時事通信フォト
雨の中で行われた阪神タイガースの優勝パレード(2005年11月6日、大阪市の御堂筋)

大阪府市職員の「パレード参加」に批判が集まる

阪神タイガースの優勝記念パレードが11月23日に大阪市内で行われます。当日は祝日ですが、その際、無給で働くボランティアとして大阪府と大阪市の職員が2400人以上応募していることが話題になっています。

今回大阪府と大阪市は、それぞれの職員たちを対象にして、優勝パレード当日に約7時間のボランティア活動をする人を1500人ずつ募りました。ボランティアの内容は、現地での来場者の案内や交通規制などだそうです。府市は当初3000人の応募を目標としていましたが、11月7日の締め切りの時点で2400人以上が集まったとのことで、必要な人数に達したとしています。

本件が物議を醸しているのは、「本当にボランティアなのか」という疑念をもたれているからでしょう。今回の募集は通常業務と同じく、上司から部下へメールで周知されているようです。部下の立場からすれば、業務命令と同じ指揮系統で下ろされている以上、断りづらいとの声が上がっています。

これに対して、大阪市の横山英幸市長は、「前向きな気持ちでボランティアに参加していただきたい」「どうしても堪忍してほしいということであれば、辞退して」と話し、あくまで無給のボランティアであると訴えています。

はたして「無給のボランティア」とすることに、法的な問題はないのでしょうか。