地方公務員も残業代は請求できる

まずは大前提として、そもそも地方公務員(※)に労働基準法が適用されるのかどうかという点です。

(※)地方公務員には、一般職の地方公務員のほか、特別職に属する地方公務員、地方公務員法57条に規定する労務職員、地方公営企業労働関係法3条4号に規定する企業職員、特定地方独立行政法人の職員および給特法2条2項に規定する教育職員等がありますが、今回は一般職の地方公務員を念頭にしています。

例えば、一般的な会社のサラリーマンであれば、残業をすれば時間外割増賃金として残業代が支給されますね。ただこれは労働基準法に規定されているものになりますので、大阪府や大阪市の職員である地方公務員にも労働基準法が適用されるのかが問題になります。

地方公務員にも基本的に労働基準法が適用されますが、地方公務員法第58条3項において、一部の規定が除外されています。

除外の例としては、労働条件の決定について定めた労働基準法第2条や、フレックスタイム制を定めた同法32条の3等があります。他方で、地方公務員法第58条3項では、残業代の支払いに関して定めた労働基準法37条の規定を除外していませんので、残業が発生すれば残業代を請求できることになります。

大阪府・市の残業手当は通常の125%か135%

そして、地方公務員法24条5項では、地方公務員の給与やその他の勤務条件について、各地方公共団体が条例で定めるとされています。

大阪府の場合は、職員の給与に関する条例というものがあり、その21条で時間外勤務手当が定められています。時間外勤務手当の割増率としては、職員の時間外勤務手当に関する規則2条で、125%または135%となっているようです。

また、大阪市については、職員の給与に関する条例15条および給料等の支給に関する規則9条で、残業代について125%と定めています。そのため、時間外の勤務があれば当然に、残業代がもらえる構造になっています。