人気銘柄は投資妙味がないケースが多い

〇 キーエンス

キーエンスの利益率は驚愕の高さで推移しています。1株利益は堅調に推移し、配当も安定的です。自己資本比率は90%以上で推移し、その財務基盤は堅牢堅固、難攻不落の要塞が如きです。

ROE(自己資本利益率)は、高い水準で推移しており資本効率も良好です。営業活動によるキャッシュ・フローはプラスで推移し、手元キャッシュも十分に確保されており、その経営基盤は盤石と言えます。

キーエンス本社ビル
キーエンス本社ビル(写真=W236/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons

キーエンスは超高収益企業としてマスメディアでたびたび取り上げられている企業です。経営指標的には完璧と言っても過言ではなく、非常に魅力的な企業ではありますが、このような人気のある銘柄は株価も高くなってしまっていることから投資妙味がないケースが多いことに留意が必要です。

どんなによい銘柄であったとしても、妥当な株価水準で投資しなければ、リターンは期待できないため指標面からの確認は必要不可欠です。

安値圏にあることを確認するのがいい

前述のトヨタの例と同様に予想PERレンジ、PBRレンジを確認していきましょう。

キーエンスは業績予想の開示をおこなっておりませんので、SBI証券のアプリで予想PERの推移を確認することはできません。そこで、有価証券報告書に記載されている株価収益率(PER)の実績の推移を確認しましょう。

2019年から2023年までの推移は、40.08倍、43.38倍、72.24倍、47.13倍、44.85倍となっています。2023年12月7日現在の株価をベースにして、利益水準が前年程度と想定するのであれば、予想PERは概ね40倍強となります。これらのことより、現在の株価はPERの観点からは安値圏にあるとも考えられます。

次にPBRについても確認して見ましょう。キーエンスの過去5年間におけるPBRは、最低値が4.20倍、最高値が9.40倍、平均値が6.13倍となっています。2023年12月7日現在のPBRが5.58倍となっています。つまり、資産面(PBR)の観点からは、株価は過去5年の平均よりも安い水準にあると考えることができます。

PERの観点からは割安、PBRの観点からも割安、となりますので、もしポートフォリオに組み込む場合は、買える水準にあるという考え方も一つです。

【図表】キーエンスの経営指標等
筆者作成