料金は2~5万円、弁護士事務所だと+1~3万円

実際に、専門業者や弁護士事務所など運営母体は様々なものの、退職代行を名乗るサービスは既に100以上も展開しているのです。

サービスの流れ自体は各社ほぼ同様です。

Webサイトのフォームや電話、LINE等で問い合わせをおこない、雇用形態や退職希望日、退職にあたってネックになっている要素や悩みなどを伝えます。

打ち合わせ終了後、代行業者に料金支払を済ませれば、依頼者は会社や上司と直接やりとりをすることなく、自動的に退職手続が完了するという仕組みです。

ちなみに料金は専業の代行業者で2万〜5万円程度、弁護士事務所が運営するサービスではその料金に+1万〜3万円といったところが相場です。また「退職できなかった場合は料金を全額返金する」との保証をつけているところが大半のようです。

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民間業者が退職条件交渉を行うと違法

現在、退職代行サービスを運営している母体は大きく「民間業者」「労働組合」「弁護士事務所」に分類できます。

このうち、最も対応可能領域が広いのは「弁護士事務所」運営によるもの。彼らは退職希望者から委任を受けた代理人として、退職意思伝達のみならず、有給休暇の買取や退職日調整、未払金支払や損害賠償請求など、あらゆる交渉をおこなうことができるためです。

一方で、最も対応可能領域が限られているのが「民間業者」です。彼らができることは、あくまで「使者として退職希望者の退職意思を伝える」という1点のみ。それ以外の業務引継ぎや未払金支払、有休消化といったもろもろの退職条件交渉をおこなうことはできず、もしやってしまえば、弁護士法第72条で規定される「非弁行為」にあたり、違法となってしまうのです。

〈弁護士法第72条〉

「弁護士でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りではない」