「万博で日本は復活する」とはとても思えない

このように半世紀以上、経済の世界では常識として語られてきた事実が、東京2020後の惨状によって、あらためて証明されてしまったことで、「神話」を信じていた日本人に強烈なトラウマを植え付けてしまったのである。

「こんなはずじゃないだろ、もっと世の中がガラッと新しくなるんじゃないの?」と落胆してしまった日本人もかなりいるはずだ。政府もマスコミもゴリゴリに盛り上げて期待値を上げていた分、失望も大きいのだ。

そんなトラウマを植え付けられた日本人たちが、「大阪万博で日本を元気に!」というちょっと前にも聞いたようなスローガンを耳にしたらどう感じるか。

よほどのお人好しか、記憶力のない人ならば、「ウヒョー、楽しみだ! 1970年の再来で、万博によって元気な日本の復活は確実だ」と大はしゃぎできるだろうが、ほとんどの日本人はこんな感じでシラけるはずだ。

「ハイハイ、どうせまたカネの問題とか不祥事が続発してゴタゴタするんでしょ? それでどうにか開催にこぎつけてそれなりに盛り上がるけれど、景気が良くなるわけでもなく、社会が何か大きく変わるわけでもなく、カジノとかゼネコンとか一部の企業が儲けて、オレたちにはまた借金だけが残るってオチでしょ?」

絶対に開催するのだから、開き直るのも一手

といろいろ言ったが、五輪と同様で動き出した巨大プロジェクトは多くの利権が絡むので絶対に止まらない。政府の万博機運醸成費も38億円見積もられているというので、マスコミの「ゴリ押しPR」も今後さらに強化される。バラエティや情報番組がUSJのように万博会場をロケでレポートして、人気アイドルやお笑い芸人が多数出演する「万博特番」も続々とつくられる。

ということは、今はシラけている人たちも、来年の今頃は「万博楽しみ!」なんて大盛り上がりしている可能性も高い。

「踊る阿呆に、見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損」という言葉もある。景気も上がらないし、借金も増えるという「オチ」はなにも変わらないのだから、ここはいっそ開き直って、万博ムードを思いっきり楽しむというのもひとつの手かもしれない。

【関連記事】
これだけは絶対にやってはいけない…稲盛和夫氏が断言した「成功しない人」に共通するたった1つのこと【2023上半期BEST5】
「お金が貯まらない人の玄関先でよく見かける」1億円貯まる人は絶対に置かない"あるもの"
お金が貯まらない人の家でよく見かける…1億円貯めたFPが「1日も早く捨てるべき」という2つのモノ
銀座ママが「LINEを交換しよう」と聞かれたときに必ず使う"スマートな断り文句"
中2で「初めてのセックスはどんな状況か」を考えさせる…日本と全然違うカナダの性教育