「自分は偉い存在なのだ」と勘違いしている医者も多い

医者選びにおける大切なことの一つに相性があると思います。相性によって、誰かにとっては名医でも、自分にとっては精神衛生上悪い医者だということがあるのです。

たとえばわたしは血圧の数値が高くなって、いくらなんでもこれはマズイということで紹介された病院で、医師からいきなり説教をされてカチンときてしまいました。

「叱られにきたのではない」「なんだこの偉そうな態度は」などといら立ちを覚え、その医者のいうことを素直に聞く気になれなかったのです。医者に会うと血圧が上がるなんて馬鹿なことがあってはいけません。

尊大な態度を取る医師、離れて歩く女性医療従事者
写真=iStock.com/tsuyoshi_kinjyo
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その医者に会うと、なんだかホッとする、そればかりか元気をもらえると思えるような医者とめぐり合えたらラッキーです。

相性以前に誰にでも感じの悪い医者というのもいます。

医者であるところのわたしがいうのもヘンですが、たいていの医者は小さいころから成績優秀で周囲の人たちから一目おかれているうえに、若いころから「先生」と呼ばれることも相まって「自分は偉い存在なのだ」と勘違いしていることが少なくないのです。

待合室がドンヨリとして暗い医院は要注意。逆に待合室が賑わっていて明るいのは、真摯しんしに患者さんと向き合う「いい医者」がいる証拠だというのがわたしの持論です。

医者によって患者さんが元気になるから待合室も賑わうのです。

逆に元気のない患者さんばかりだと、薬の出しすぎなどの問題があるかもしれません。

年よりの医者が信頼できる理由

加齢によってさまざまな不調が出やすい高齢者は、何かあったときに気軽に相談できるかかりつけ医(主治医)を決めておくとよいでしょう。

風邪だと思っていたら、検査の結果、深刻な病の可能性があると判明したといった場合も、専門医を紹介してくれたり、大学病院への紹介状を書いてくれるなど、速やかに治療を始めるための橋渡しをしてくれるはずです。

働き盛りの40代、50代の医者が望ましいと考えてしまいがちですが、そうとも限りません。同年代だからわかってもらえる不調があると思います。

それに、昔の医者は聴診器を胸に当てながら、その人の顔をよく見て、傾聴を通して「こういう可能性がある」と目星をつけていました。

この、経験から培われた「勘」が侮れないのです。

一方、今は数値至上主義で、パソコンの画面しか見ていない医者が増え、患者さんが不調を訴えても、数値が正常なら「問題ありません」などと告げられてしまうことが多くなりました。

でも問題がなかったら病院へはいきません。数値的に問題がなくても具合が悪いものは具合が悪いのだから、そこに寄り添ってくれる医者を選ぶべきだと思います。