他社との差別化のため、赤字ギリギリの創業当初から続けてきた
そもそも、お笑いライブにケータリングという文化はありませんでした。多分K-PROがライブ毎にケータリングを導入したことは、かなり革命的だったと思います。
ケータリングを始めたのは、出演いただく芸人さんから「他のライブとは違う」と思ってもらいたかったからです。特にK-PROを始めた当時は、芸人さんに「また一つ新しいインディーズライブが増えた」ではなく、「ん? ここのライブは他とは違うぞ?」と思ってもらいたかったので、そのために色々考えて、出した答えの一つがケータリングでした。
当時はお客様の数も少なくて、黒字になるか赤字になるか毎回ギリギリの戦いだったので、そんな中でのケータリング代は結構痛かったです。でも、やり続けたおかげで芸人さんが定期的にライブのトークコーナーでケータリングの話をしてくれたり、私が『セブンルール』などテレビやメディアに出る度にケータリングの話を取り上げてくれたりして、K-PROの武器の一つとなりました。
張り切りすぎても相手に警戒されてしまう
一時期、K-PROに対抗してお寿司やオードブルを毎回用意していた団体もあったみたいですが、恐らく予算と、あとは芸人さんが逆に遠慮してしまい、長く続かなかったと聞いたことがあります。
何か物事を比べるとき、最初に始めたところが基準になるので、お笑いライブのケータリングに関してはK-PROが基準になっていると思います。
「基準と違うことをする」という考えはすごく大事だと思いますが、今書いたようになんでもアリという訳ではなくて、やるときは「違和感がないように」しないとダメだと思います。普段のライブの楽屋に毎回豪華なお寿司が置いてあったら、多分嬉しさよりも怖さが勝ってしまいますよね。お寿司を出すのは、大一番のスペシャルライブとか、「新ユニットライブの一回目なので気合いを入れてもらいたい」など理由があるときのほうが効果的だと思います。
余談ですが、全芸人さんから喜ばれるケータリングは、夏の暑い日に配る棒アイスです。これを楽屋にサプライズで持っていくと、若手もベテランも本当に喜んでくれますし、一箱に沢山入っていて値段も高くないので、本当にベストなケータリングだと思います。
多分、仕事相手に渡す差し入れや手土産なども同じだと思います。せっかくなら先方に喜んでもらえるように、どんなものをどんなタイミングで渡したらいいのかなど、演出をしっかり考えることが大事だと思います。