裕福な子ほど、ゴミや食べ物を投げ捨てる

さらに、みにろま君が驚いていたのが、生徒たちは「カナヘビ」というトカゲを飼育し、虫かごに入れて「かわいいね」といいながら撫でたりして大事にしていたことです。

イギリスの学校では小動物や爬虫はちゅう類を飼うことはありません。虫や爬虫類を発見すると、踏み潰して殺したり、いたぶって遊んだりする子どもが多くいます。小さなものを大事にする感性のある子どもは少なく、自然にもあまり興味を抱いていません。

それでも、みにろま君が住んでいるところは自然がかなり豊かで、日本の郊外に比べても田舎なのです。学校も理科には力を入れているのですが、子どもたちには自然を大切にする感性が欠けています。

イギリスの子どもらは裕福な家の子でも、ゴミを床や道に投げ捨て、並ぶべきところできちんと並ばず、人を押しのけ、私語だらけで大騒ぎし、気をまったく遣わず、意地悪をし、トイレや劇場を汚しまくり、食べ物を床に投げて足で踏み潰し、カーペットになすりつける。こうして大人の使用人に掃除させるからです。また学校では備品を投げつけたり壊したりするのを堂々とやります。

散らかったごみのイメージ
写真=iStock.com/Liudmila Chernetska
※写真はイメージです

日本の子どもは世界でもっとも礼儀正しい

さらに授業参観ですらイギリスの子どもらは親の前で学用品や学校の教材を投げつけまくって遊び騒ぎ、ケーキを手づかみで食べ、ほかの子どもからも奪っていました。

この調子が「標準」どころか、これは進学校で裕福な階層なのです。貧しい地区とか貧困な階層はもっとひどいのです。

学校のプールでの放尿、トイレから糞を持ってきて手洗い場にぶちまけ塗りたくった子どもたちもいました。それは知的障害がある子どもではなく、親が教員で豊かな家の子どもです。大人の「使用人」が片づけるのを知っているからわざとやるのです。

だから日本の公立校に通うごく普通の小学生がイギリスの小学校に転校した場合、おそらくほぼ100%の確率でその子どもは礼儀や行動評価で全学年のトップどころか、国のトップレベルになってしまうでしょう。