50代の男性は「しゃべりたいだけ」と言いながら買春経験あり

中には、別の目的がある人たちもいる。女性たちと「しゃべりたい」だけの男性だ。この街に通うようになって半年ほどという50代の男性は、週に3、4日、この一帯を訪れる。知り合いになった女の子たちと話をするためだ。独身で会社勤めのサラリーマンだという。「ただ、楽しく話したいだけ。こんなおじさんでも、仲良くしゃべってくれる子もいるからね。しゃべったり、一緒にお酒を飲んだり。別に危ないことをしようとは思っていない。荻窪の自宅には終電で帰ります」

話を聞いた日、その男性は、顔見知りの女の子に頼まれて、コンビニで買った酒を渡していた。この場所のことは、ユーチューブで知ったという。「今日は有給で休んだけど、普段は会社帰りに来ますね。会社の同僚も知ってますよ。僕が映り込んじゃったユーチューブの動画とかも見せてますから」とあっけらかんと言う。

女性を買うことはないのかと聞くと、少し口ごもった。隣にいた女の子が「あたし、このおじさんに買われたことあるよ」と口を挟むと、「そういったことも1、2度ありますが、それはまあお金がない子への支援みたいなものです」と言って、そそくさと空き缶を片付け始めた。

この手の男性のほか、路上の女性たちに客のような態度で近づき、「何してんの」「調子どう?」などと話しかける男性もいる。彼女たちには冷やかしだと思われ、疎まれている。

ユーチューバーは女の子たちを無断で撮影しネットに投稿

こうした中で、女性たちが特に敬遠しているのはユーチューバーだ。

ユーチューブに限らずネット上には、道端に立つ女の子たちを、路上を歩きながら映して回った動画が無数にアップされている。公園の周辺に1時間もいれば、撮影をして歩く男性を見つけるのは難しくない。アップされた動画の大半が、映し出された人物の顔にモザイクをかけておらず、見る人が見ればそれが誰だか特定できる状態のままだ。こうした動画は2022年の冬ごろから増え始めた。

翌23年5月、右手にビデオカメラを構え、あまりにも堂々と女性たちを映して歩くスーツ姿の男性を見かけた。女の子たちはびっくりして固まったり、顔を背けたりしている。しばらく私は、その男性の後をついて歩き、タイミングを見計らって記者だと名乗って話しかけた。彼は口元を少しゆがめただけで、何も言わずに立ち去った。

別の日、スマホを盗撮気味にかざしながら歩いている中年の男性がいた。話しかけた私が記者だと言うと、「あんたたちとどう違うの。別に違法行為はしていないし、勝手でしよう」とまくし立てて背を向けた。ビデオカメラの男性にしても、この男性にしても、やましさはあるのかもしれない。