「英国ISA」には投資上限枠がない

新NISAは、英国ISAと比較して具体的に4つの課題がありますが、それぞれに対策をまとめていきます。

1つ目は、今回の制度で新たに登場した生涯非課税投資上限枠の考え方です。

英国では、「ISAミリオネア」がいます。年間の上限は設定されていますが、生涯上限枠は設定されていないため、20年、30年……と長期間投資を続けることで投資元本が大きくなり、さらにそれが資産を大きく膨らませ、そしてついには100万ポンド(1ポンド=180円換算で1億8000万円)を超える資産を持つ投資家が登場しているのです。

ところが新NISAの場合、投資総額1800万円が上限ですから、上限から6倍に値上がりしないと資産1億円を超えません。資産活用世代には、そこまで値上がりを待つ時間はなさそうです。

「生涯上限額1800万円」はできるだけ早く使い切る

そこで対策です。

投資上限枠を変えることはできませんから、できるだけ早い段階で1800万円の上限まで投資を行うことを心掛けるしかありません。

「つみたて投資枠」と「成長投資枠」をフルに活用して、5年間で生涯上限額1800万円を使い切るのです。それにより運用規模のメリットを最大限に活用することを目指します。

新NISAの特徴
提供=フィンウェル研究所

もちろん、資産にゆとりがなければ、無理をする必要はまったくありません。少しでも有価証券で運用している資金があれば、「この際、新NISAにすべて移管する」というくらいの心持ちで使っていきたいものです。