2024年1月、従来のNISA制度よりも改善された「新NISA」がスタートする。独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)の五十嵐修平さんは「長期間運用すればするほどローリスク・ハイリターンになる。バランス型投信で運用すれば7~8年程度で赤字になる可能性が非常に少なくなるので、70歳から始めても成果を出せるだろう」という――。
木製ブロックに「新NISA」の文字
写真=iStock.com/Rie Tamaoki
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「現金と預貯金のみ」は損をし続けている

いよいよ来年1月から新NISAが始まります。新NISAでは、非課税投資枠が現行NISAの600万~800万円から1800万円に大きく拡大し、非課税保有期間も無期限となります。この機会に、自分も投資への第一歩を踏み出そうと考えている方も多いのではないでしょうか。

今回は、ぜひ運用を行うにあたって知っておいていただきたい、新NISAを今すぐ始めるべき人、絶対に手を出してはいけない人、そして運用を始めるときにやってはいけないNG行動について、実際の事例を含めて説明します。

① 新NISAを今すぐ始めるべき人

それは現状、現金と預貯金のみで資産を保有している人です。

なぜかというと、そういう人たちは機会損失をし続けているからです。

今これを読んでいる皆さんは既に資産運用をしているでしょうか。日本人は欧米に比べ、タンス預金や銀行預金を好む人が多く、2023年3月末時点で家計金融資産のうち、54.2%を現金・預金が占めています。

時間をかければローリスクで資産は2倍に

後述しますが、できるだけリスクを抑えながら運用するには、時間をかけて長期投資していくことが必要です。

例えば同じ1000万円を2000万円にしたい、というゴールを目指す場合、12年運用にかける時間があれば利回り6%でゴール達成が可能です。しかし、半分の期間の6年で上記の2000万円を目指すとなると利回りは13%必要となるのです。

利回りを上げて運用するということは、その分リスクをとった運用が必要になります。高いリターンを求めるほど、リスクの高いもので運用せざるを得なくなるのです。

世界株式の平均的リターンをおよそ年率6%程度とすると、利回り13%がどれだけハイリスクな運用を伴うかご理解いただけると思います。