「40歳スタート」と「60歳スタート」では雲泥の差
2年前に私の著書を読んで相談に来た40代前半の女性は、今まで働いた給料の大半を預金にしていたという方でした。運用は怖いという気持ちがあったり、運用はお金がたくさんある人が行うものというイメージがあったので、60歳の定年退職の退職金を含めてある程度資産が蓄えてから運用を始めようと思っていたということでした。
しかし預金が貯まるにつれて金利もほとんど付かず、置いておくことへのもったいないという気持ちが高まり、ご自身で書籍等を読んで勉強したうえで相談に来たのです。
もしこの方が退職60歳まで運用していなかった場合、大きな機会損失になっていた可能性が高いでしょう。
40歳から運用を始めるのと、60歳から運用を始めるのとでは同じ運用でも成果は大きく異なります。この方は予定より早く運用を始め、株式相場も良かったため、現在では20%を超える成果を出しています。
運用は時間を味方につけると大きな成果を得ることができます。タンス預金や預貯金で預けてしまっている人は、新NISAを活用して運用を始めるべきでしょう。
1年間後に売却すると33%の確率で損をする
② 絶対に手を出してはいけない人
それは長期投資ができない人です。
「資産運用は長期の目線が必要です」。既に運用している人、またはこれから運用しようとしている人なら、一度はこの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
運用で損する可能性を下げるには長期で運用することが必要です。例えば、あるアクティブ型全世界株式ファンドで運用した場合、わずか1年間だけ保有して売却すると33%の確率で損失を出しての売却となります。
それを5年間保有して売却すると、9%の確率、10年間保有して売却すると3%の確率まで損失確定しての売却を減らすことができました。
さらに15年間保有すると、売却時の損失がなんと0%になったというデータがあります。
このデータはリーマンショックも経験した上での成果となっているため、もし15年後にリーマンショックのどん底であったとしても、15年前から運用していれば損をしていないということを表しています(2008年の15年前なので1993年)。