他人に好印象を与えるには、どうすればいいか。「表情筋研究家」の間々田佳子さんは「自分では笑っているつもりでも、他人からはまったく違う表情に見えることがある。まずはキメ顔ではないあなたの“素の顔”を知るところから始めてみるといい」という――。
※本稿は、間々田佳子『伝わる顔の動かし方 コミュニケーションは見た目が9割』(光文社)の一部を再編集したものです。
鏡に向かった顔はいわゆる“キメ顔”
自分の顔を直接見ることはできません。だから私たちは、鏡をのぞいてチェックします。
でも、勘違いしている人が多いのですが、「鏡に映る顔」=「他人から見たあなたの顔」ではありません。
人は鏡をのぞくとき、無意識に表情をつくろうとします。目に力を入れ、あごはすっきり見える角度で、唇をすっと引き結んで。
だから誤解しがちなのですが、それはあなたの顔ではあっても「他人から見たあなたの顔」ではありません。
どういうことか、詳しくご説明しましょう。
鏡に向かって構えた顔は、あなたにとっての「自分を意識した顔」、いわゆる“キメ顔”です。家でも外でもずっとその表情をキープできるなら万々歳ですが、なかなかそうはいきませんよね。
実際に他人とコミュニケーションをとるとき、他人が目にするあなたの顔は、鏡を見ながらばっちり調整したキメ顔ではないのです。
「他人から見たあなたの顔」とはギャップがある
たいていの人は、鏡に向かってポーズをとるように、いつでもどこでも表情をつくることなどできません。できたとしても、そのままずっとキープすることは難しいでしょう。
となると、そこに「自分がイメージする自分の顔」と「他人から見たあなたの顔」というギャップが生まれます。
あなたが思うあなたの顔は、鏡の中にしか存在しないのかもしれません。
気づかないうちに撮られた写真を見て、愕然としたことはありませんか?
眉間にシワが寄っているとか、口がひん曲がっているとか、不機嫌そうな雰囲気だとか、鏡に映る自分とはまるでかけ離れた表情……。
残酷な事実ですが、それが「他人から見たあなた」です。そのくらい、自分からと他人からとでは「顔の見え方」が違うのです。