機能性表示食品に「英字と数字」が入るワケ

ヨーグルトで乳酸菌を摂取する場合、菌のタイプは大きく二つに分かれる。一つは胃や小腸で働くことで免疫力などを高めるタイプ、もう一方は大腸で働き腸内環境を整えるタイプだ。基本的には各メーカーがうたっている機能表示を信頼して良い。

腸内細菌の種類は「門→属→種(菌)→株」に分類され、その株がヨーグルトのパッケージに記されていることが多い。例えば『明治ブルガリアヨーグルトLB81』は、LBが乳酸菌、81が「ブルガリア菌2038株」と「サーモフィラス菌1131株」の末尾番号を組み合わせたものだ。株名からインターネットで検索すると、実験で確認した株の効果が調べられる。

主な菌株と期待できる効果を表にしてみた。

【図表1】期待できる効果、主な菌株と商品例
出所=『老けない最強食

「各メーカーはいろいろテストしながら、一番得意な分野の菌株を打ち出しています。ただ『ピロリ菌を減らす』とうたっている商品でも、それしか効果がないわけではありません」と後藤医師が解説する。

乳酸菌などの良い菌は「プロバイオティクス」(人体によい影響を与える微生物)といわれる。そのプロバイオティクスには、腸内環境改善、発がんリスク低減、免疫調節(インフルエンザ感染予防、花粉症軽減効果)などの報告が多数ある。どのヨーグルトを食べても、その基本的な効果が多少は期待できるということだ。

ただし大半は、2週間程度食した試験に基づいて商品化しているので、最低でも2週間は継続しないとその効果は判定できない。

老化の原因物質の発生を防いでくれる

そして食前か、食後の摂取かを考えた時、アンチエイジングの作用を期待するなら、「食前」にヨーグルトを食べるほうが断然いい。ヨーグルトにはAGE発生を防ぐ作用があるからだ。

おさらいになるが、本書冒頭から老化を促進する悪玉物質「AGE」の危険性を再三指摘してきた。AGEは「タンパク質と糖」が結びつき、劣化(糖化)する現象で発生する。

食品では“きつね色”が糖化の証。カステラの茶色の部分、格子状のワッフルの焼き目、どら焼きや今川焼きの皮など、おいしいところにはAGEが多く含まれている。

ワッフル
写真=iStock.com/InnaVlasova
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そういったAGEを含んだ食品を多量に摂取することでも体に悪影響をおよぼすが、食品だけでなく体内でも血糖値が急上昇すれば糖化が進み、AGEが発生すると述べてきた。

長年糖化と食品の関係について研究を続けてきた同志社大学生命医科学部糖化ストレス研究センター客員教授の八木雅之氏も、こう説明する。

「老化の原因は食後に血糖値が高い状態が生まれることで、タンパク質と糖が結びつく糖化が起きやすくなり、そのとき老化の原因物質(AGE)が生まれてくることにあります。

紫外線を浴びたり、過度な飲酒や脂質摂取、喫煙習慣も、この糖化を加速させる。糖化するとその部分の組織が茶色くなって硬くなり、変性して体内は老いていく。肌のくすみやハリ、弾力低下などの要因にもなります」