次の「迷惑系」を登場させない方法

物価高が止まらない一方、給料はほとんど上がらない日本。コロナ禍は落ち着いても、閉塞へいそく感がある現状は変わっていない。そこで、鬱屈した不満や鬱憤を晴らす場として、悪を代わりに成敗してくれる私人逮捕系動画を見て楽しむ人が増えていったというわけだ。

スマートフォンに視線を落とす女性
写真=iStock.com/maruco
※写真はイメージです

たしかに痴漢・盗撮は許されない犯罪行為であり、転売も不当に値段をつり上げ、本当に購入したい人が買えなくなる迷惑行為だ。しかし、私人逮捕は人違いや冤罪の恐れもあり、撮影時の暴力行為も正当化することは難しいだろう。その動機が、「有名になりたい」「稼ぎたい」という私欲であればなおさらだ。私人逮捕系の活動も、やはり大きな問題をはらんでいるのだ。

迷惑系YouTuberも、へずまりゅう逮捕などを経て下火になっていった。私人逮捕系も、今回の煉獄コロアキ逮捕で下火になっていく可能性が高い。しかし、目立てば承認欲求が満たせて収入も得られるという構図は変わらず、今後さらに進化した違う形の迷惑系が登場しないとも限らない。

この悪循環を断ち切るためには、われわれ視聴者側が、問題のある動画は無視をしてNOを突き付ける姿勢を貫くしかないのではないだろうか。

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