周囲が自分をどう見ているかを気にしすぎている

日本の人々は、自分が周囲に与える悪影響を気にしすぎで、周囲が自分をどう見ているかも気にしすぎだからです。その特殊性、悪くいえば異常性を、あなたはどれくらい認識できているでしょうか。

「人に迷惑をかけない」は、もちろん間違った教訓ではありませんが、本当にそんなに大事なことでしょうか。

日本では「なんか危なそう」と思われたらアウト

× なんか危なそう

日本では、こう思われてしまったらアウトです。

「なんか危なそう」な新商品は、本当は素晴らしいモノだとしても、なかなか消費者の手に取ってもらえません。

「なんか危なそう」なベンチャー企業は、じつは将来有望な会社でも、人材から就職先や転職先として選ばれにくくなってしまいます。

「すごい」「面白い」「斬新」よりも、「みんなが知っていて」「信頼できて」「ちゃんと安心できる」選択肢が好まれる、というのは日本ならではの特徴の1つです。

このような人の特徴、価値観、考え方、行動などを明らかにする「人を科学する学問」として、マーケティングがあります。マーケティングと聞くと、ビジネスを成功させる方程式のように思われるかもしれませんが、じつは人の心理や行動を解き明かす学問です。

なぜなら、ビジネスは、作り手も受け手も人だからです。

新しいアイデアを思いついて企画化し、ヒト・モノ・カネを動かして実現していく……。ビジネスを作る道のりは、すべて人(ビジネスパーソン)が考え、行動することで進んでいきます。

また、そうして作られた商品やブランド、広告などを見て、好きになったり嫌いになったりと反応し、買うかどうかや、賛否のクチコミなど、判断・行動をするのも人(消費者)です。

だから、マーケティングは、「どんなビジネスパーソンが仕事の生産性や創造性を高められるか」「どういった組織のパフォーマンスが優れているか」「消費者は何を考え、どう動くか」など、人を解き明かすことで、初めてビジネスを分析できるものです。