「So What?」を何度重ねられるか

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「So What?」を積み重ね、仮設を立てよ!

問題は、5年後に実を結ぶかもしれない思いや仮説をどこから着想するかだ。心がけてほしいのは、「So What?(だから何?)」だ。ある現象や情報に接したとき、そのまま受け止めて終わるのではなく、「だから何?」と、もう一段深く掘り下げ、もう一歩先の展開を考える。5年後のビジネスのネタは、これを繰り返すことによって浮かび上がってくる。

今年のサッカー南アW杯では、ブブゼラという民族楽器が注目を集めた。ここで「So What?」と考えた人は、問屋に走ってブブゼラを買い占め、小遣い稼ぎをしたかもしれない。さらに「So What?」を重ねた人は、4年後のブラジルW杯でも民族楽器が流行ると予想し、いまから準備をするかもしれない。もちろん別のシナリオもあって、「選手からは不評だったので次回は禁止になる」と予想することも可能だ。いずれにしても「So What?」を重ねることで、次に自分が取るべきアクションが明確になる。

ロスチャイルド家が英金融界でのしあがったのも、ワーテルローの戦いでナポレオンが英・蘭連合軍に敗れたニュースをいち早く知り、「So What?」を繰り返したからだった。連合軍の勝利を知った普通のイギリス人は、単に喜ぶだけだろう。「So What?」を一回考えるイギリス人は、少し頭を働かせて英国債に飛びつくかもしれない。一方、ロスチャイルドはさらに考えを深め、イギリスが負けたという偽の知らせを流して英国債を暴落させてから買い占めた。その行為の善悪は別にして、「So What?」を他の人より一歩進めたことで、巨万の富を築いたのだ。