Q過去問で目指すべき点数は?
A「合格者平均点」と「受験者平均点」の間
本番通りの時間で4教科すべてを解く日をどの家庭でも設けると思います。
そこで目標とする得点は、入試直前の時点で「合格者平均点と受験者平均点の間」です。合格者平均点にはトップクラスの点数も含まれており、この点数をとった子たちは併願して合格した、偏差値上位の他校へ抜けています。つまり、実際に入学した子たちの点数よりも高く出ています。合格者平均点に達しないから合格しない……なんてことはないので、安心してくださいね。
志望校が平均点を公表していなければ「得意教科は7割以上、それ以外は6割以上」を目安にしましょう。
秋から受験当日までの期間で、受験生はグンと力を伸ばします。押し上げて、押し上げて、最高潮の状態で受験に挑んだ子たちの平均点を、受験の数カ月前にとれなかった……と落ち込むことは無意味です。点数ばかりを気にして一喜一憂せず、復習や解き直しに重点を置くことを忘れないでください。
Q同じ年度のものを2回やった方がいいですか?
A「間違えた問題のみ」でOK
過去問を解くことは、志望校合格に近づくための貴重な学習機会です。「間違えた問題のみ」、もう一度解いた方がいいでしょう。間違えた問題に付箋を貼り、解けるようになったらはがすようにすると、自分でも成長が見えるのでモチベーションが高まりやすくておすすめ。
よくご家庭から受ける質問が「国語は、2回も同じ問題を解いても意味がないのでは? 長文の内容を大体覚えてしまっているでしょうし……」というもの。結論を言えば、決してそうではありません。算数と同じで、答えが合っている以上に、答えにたどり着くまでの考え方を押さえることが国語でも点数をとるうえで大切になるのです。2回目も、正答までの道筋をしっかりととらえる練習になります。国語も間違えた問題は、解説を読んで振り返ったあとに、もう一度解き直しましょう。
また、はじめて解いた過去問については、できる限り、正解した問題の解説まで読みこむことをおすすめします。例えば、社会の過去問で「公事方御定書を定めた人物は?」と聞かれ、選択肢A~Dの中で、A徳川吉宗を選択し正解した場合も、翌年に選択肢B新井白石、C松平定信、D水野忠邦いずれかに関する問題が出るといったことがよくあるのです。解説では、ほかの選択肢がなぜ誤りかも見ておいてください。
合格を勝ち取るために! 後藤さんからのアドバイス
親御さんに強くお伝えしたいのは、「過去問」を神格化しすぎないでほしいということです。過去問は確かに合格に近づける強力なツールですが、今回説明した通り合格判定のためのものではないのです。まっさらな状態で解かせたいと、ギリギリまで過去問を子供に見せない親御さんは少なくないですが、志望校へ向けた対策を効率的に進めるために、ぜひ早い段階からパラパラと見て、今回ご紹介した「ヨコに活用」などをお試しください。
最後に、志望校とお子さんの学力の見極めはむずかしいものですが、例えば11月の時点で「解説を読んでも理解ができない」ようであれば、もしかすると志望校のレベルがちょっと高い可能性があります。そのときはほかの学校の過去問も見てみることをおすすめします。