ピント外れの写真に二度と悩むことはない
また、撮影後であっても、写真の任意の箇所をタップすることで、焦点の合うポイントを変更することが新たに可能となっている。Appleの発表イベントでは、すでに撮影が済んでいる写真のフォーカスを自在に変更する様子が披露された。写真に写る2人の人物のうち、手前の人物の顔をタップすれば手前に、奥の人物をタップすれば奥にと、焦点のあうポイントが変更される。
大切なシーンのピントがずれていたと、後日になって悔やむことは減りそうだ。このような特殊な操作は、従来であれば、専用のレンズを内蔵した特別なカメラでないと実現が難しかった。本機能はiOS 16以降を搭載したiPhone 13以降の機種にも遡って提供されるが、とくにそれ以前を利用しているユーザーにとっては、買い換えの大きな誘因となるだろう。
「古いスマホを持っている人々にとって堅実なアップグレード」
標準モデルではこのほか、iPhone 14で上位モデルにのみ搭載されていた「ダイナミックアイランド」に対応した。画面上端の切り欠き(ノッチ)を廃止し、情報表示用の領域と統合することで、違和感を軽減する。チップは昨年のProモデルで採用されていたA16 Bionicチップに強化され、カメラのズームも光学1倍から2倍へ進化した。
標準モデルならではの利点もある。「カラーインフューズドガラス」による鮮やかなボディカラーは、彩色の難しいチタンを採用した上位モデルにはない、軽やかな印象を与える。重量はiPhone 15で171g、Plusで201gとなっており、Pro Maxの221gと比較して最大で2割以上軽量だ。
近年の新作iPhoneの例に漏れず、外観こそ革新的な変化はないものの、標準モデルであっても細かな改良が積み重なっている。USAトゥデイ紙は、「古い携帯を持っている人々にとって堅実なアップグレード」になると勧めている。
さっそく乗り換えたCNN記者
一方、上位モデルのProやPro Maxの人気も高い。米CNNのヘンリー・ケイシー記者は、iPhone 12 Pro Max からiPhone 15 Pro Maxに乗り換えた。799ドル(日本価格12万4800円)の標準モデルに対し、1199ドル(同18万9800円)と1.5倍ほどの高値だが、決断の理由は複数あるという。その一つが重量だ。
iPhone 15 ProおよびPro Maxの筐体フレームには、iPhone X以来のステンレススチールに代わり、軽くて丈夫なチタンを新たに採用した。iPhone 14 Pro Maxの240gから、2割弱軽量化し221gとなっている。わずか19gの変化だが、ケイシー記者によると、「試してみた私の知り合いは皆、チタン製にすることでiPhoneが明らかに軽くなったと言っている」ほど変化を実感できるという。