iPhoneと周辺機器に11年間も使われてきたが…

ジョスウィック氏は続けて、規制はとくに邪険に思っていないとしながらも、EUのこれまでの対応をチクリと非難。(Lightningが登場した)10年前には、Micro-USBに移行するようEUが圧力を掛けてきていたという。

Lightningコネクター
写真=iStock.com/bedo
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ジョスウィック氏は、今となってはMicro-USBへの移行など話題にも上らないと指摘。そうしたなかでAppleとしては、当時としてはさまざまなタイプのUSB規格が乱立するなか、可能な限り自社製品の規格をLightning1本に統一してきたと説明。無用なケーブルの削減に貢献してきたとの立場を示した。

Apple関連ニュースを報じる米9to5Macは、Lightningの登場が2012年9月のアップルイベントに遡ると振り返っている。ステージに上ったワールドワイド・マーケティング担当副社長(当時)のフィル・シラー氏は、「今後10年間使われるモダンなコネクター」として披露。Lightningは公約を果たし、実に11年間iPhoneと周辺機器の統一規格であり続けた。

iPhone 15からほかの機器へと給電が可能に

なお、iPhone 15シリーズでは、iPhone本体をモバイルバッテリーとして使うことが可能になった。iPhone側のType-C端子に、Type-C to Lightningケーブルを差し込むことで、iPhoneからほかの機器へと給電する。

イギリスのテック系著名YouTuberであるMrwhosetheboss氏(登録者1640万人)が動画で実演しているように、たとえば自分のAirPodsや友人のiPhone 14以前がバッテリー不足の場合、電力を分けてあげることが可能だ。また、Type-C to Type-CでiPhone 15シリーズ同士を接続した場合、互いのバッテリー残量を自動で比較し、多い方から少ない方へと給電する。

まるで一眼レフのボケ感…全モデル共通で4800万画素に

端子のほか大きな改善として、iPhone 15ではカメラの性能が全モデルで向上している。Appleによると、iPhone 14およびiPhone 14 Plusではメインカメラのセンサーが1200万画素だったところ、iPhone 15では全モデル共通で4800万画素となった。

iPhone 15
iPhone 15(アップルのニュースリリースより)

単純に画素数だけで画質が決まるわけではないが、ひとつの数字としては標準モデルでも上位のiPhone 15 ProおよびPro Maxとまったく同一となる。センサーの画素数は、写真の精細感に影響する。画素数が向上したことで、布地の質感や肌のキメまでを、より繊細に捉えることが可能だ。

写真関連では、進化した「ポートレートモード」も全モデルに一挙に導入された。同モードは人物の写真を撮る際に背景を美しくぼかし、まるで一眼レフで撮影したかのような被写界深度効果を追加してメインの人物を引き立てる。

これまでは手動でモードを選択しなければ効果を発揮せず、せっかくの活用の機会にも存在を忘れがちだった。新しいポートレートモードはシーンを認識して自動でボケを加えるほか、背景ボケだけでなく前景ボケに対応し、より自然な表現が可能となった。