ドクターショッピングは避けるべし
冒頭に書いたような「紹介状を持たず、さまざまな医療機関を気軽に受診すること」を「ドクターショッピング」と呼びます。これまでにご説明したように、ドクターショッピングはあまりいい結果を招きません。
自分にピッタリ合った「理想的な治療」をしてくれる医師を探してドクターショッピングをしても、多くの病院で保険適用の標準治療――つまり現時点で最善とされる治療が提供されますので、さほど大きな違いはありません。標準治療で完治が見込めない場合は、そのように説明されるでしょう。しかし、保険のきかない自由診療で高額な代替医療を提供するごく一部のクリニックでは違う「治療」が行われます。最初は患者さんの気持ちに添うようなことを言ってくれるために満足度が高いのですが、病状が悪化すると対応できず、最期は保険診療を行う病院に戻ることになります。
こうしたことが起こるのは患者さんだけの問題ではありません。医師側の説明不足、コミュニケーション不足の問題もあります。双方でしっかりコミュニケーションをとり、それでもうまくいかない場合は紹介状を持って、別の病院にかかりましょう。