※本稿は、安川新一郎『ブレイン・ワークアウト』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
47.3%の日本人が「月に1冊も本を読んでいない」
私達は、メール、チャット、記事等、様々なテキスト情報を日々受け取っています。データ量から推定すると平均的な人で1日10万文字、新書1冊程度の文字情報に私達は日常的に触れています。
しかしながら読書についての統計情報(平成30年度「国語に関する世論調査」文化庁)によると、読書量が以前に比べて減っているか増えているかという質問に対する回答は、
・読書量はそれほど変わっていない:24.3%
・読書量は増えている:7.1%
・分からない:1.2%
となっており、また、47.3%の日本人が「月に1冊も本を読んでいない」状況です。
私は昔から読書が好きなほうですが、昔ほど集中して本が読めなくなったと感じる時期がありました。ただし独立してからは、年間平均100冊程度の本を努力して読む習慣を取り戻すようにしました。
名著には大抵の問題の答えが書いてある
1つには、先端技術の社会実装支援を行う投資とコンサルティング事業を始めたこと、それらの投資判断やコンサルティングのために、これからのテクノロジーや未来の世界はどうなっていくかについて、包括的に勉強する必要があったからです。
未来の世界を予測するためには、人類学、人口統計学、政治学、経済学、経営学、AIやバイオ等の先端テクノロジー等、様々な分野について理解する必要があります。また、世界認識の為の思考のフレームとして哲学思想の大きな流れなども時に把握する必要があります。
このように勉強のための読書を続けていて私が驚いたのは、2000~3000円程の名著に出会うことができれば、大抵の問題の答えはそこに書いてあるということです。
また、同じテーマについて3~4冊の本を読み込めば、その領域の研究者にはなれなくても、その領域における重要な課題や研究内容が、他人に説明できる程度には理解でき、ビジネスや投資判断上、とても役に立つことがわかりました。
単純に、会社員時代の私は、それらの本を読む時間を確保していなかった(あるいは、できなかった)だけなのです。