困難な状況が「いつ終わるのか」を知る

占いが持つもう一つの大きな効果は、直面している悩みの「期限」を知ることによって、問題解決の出口がイメージできることです。

仕事上のトラブルが続いたり、上司のパワハラなどに見舞われていると、「この状態は、一体いつまで続くのか?」と不安になり、人によっては、「一生このまま、何も変わらないかもしれない」と考えて、絶望的な気持ちになってしまいます。

最近、目立って増えているのは、「この忙しさはいつまで続くのだろう? このままでは身体を壊す前に、メンタルをやられてしまう」という切実な相談です。

「転職をすれば解決する」と思うかもしれませんが、経済的なことも含めて、人にはそれぞれ抱えている事情があります。

簡単に転職に踏み切れないからこそ、無理をしてしまう人が多いのです。

この厳しい状態は、いつになったら終わるのか?

一応の目処を知ることができれば、「そこまで頑張れば、少しは楽になるんだな」と思えて、気持ちが楽になります。

ゴールが見えないまま全力疾走を続けることほど、過酷なことはありません。

心と身体にダメージを与えるだけでなく、仕事に対するモチベーションや意欲にも大きな影響が出てしまいます。

西洋占星術では、ホロスコープで天体の動きを読み解くことによって、「運気」の流れを知ることができます。

目が回るほど仕事が忙しく、もう少しで倒れそうだが、上司のパワハラに悩んでおり、妻との関係もギクシャクしている……という男性の場合、めったにないような「キツい星」の影響が来てるケースがほとんどです。

私たち占い師は、その星の動きから、現在の厳しい状態が、「この先、どのように展開していくのか?」を読み解いています。

私は、その星の特徴を説明することから始めて、今後の動きをできるだけ具体的にお伝えすることを心がけています。

「この状況から、近いうちに抜け出せますよ」ではなく、「2024年の5月には抜け出せます」と明確に時期をお伝えしています。

天体の動きを読み解くホロスコープ・リーディングのスキルによっては、時期を曖昧にする占い師もいると思いますが、私の場合は可能な限り詳細に読み解くことを意識しています。

「2024年の5月には今の状態から抜け出して、こんな状況に変わっています」

現在の困難な状態から抜け出す時期だけでなく、新たに迎える次の状況についても、可能な限り克明にお伝えしています。

もう一つ心がけているのは、今の状況が変わるまでの期間を、「どのように過ごせばいいのか?」について、詳細なアドバイスをすることです。

ここまで踏み込まなければ、「相談者は心穏やかに日常生活を送れないだろう」と考えているからです。

オフィス街で両腕を広げる女性
写真=iStock.com/franckreporter
※写真はイメージです

「いい結果」が出ても「好材料」くらいに考える

占いを日常の仕事に役立てるためには、客観的な視点に立って、適切な距離感を持つ必要があります。

占いの結果に必要以上に頼り切ったり、それに振り回されてしまったのでは、結果的に判断を誤ることになります。

どのようなスタンスで占いと向き合えばいいのか?

本稿の最後に、注意すべき5つのポイントをお伝えします。

【注意点①】占いで「いい結果」が出ても油断しない

占いによって得られる方向性は「予言」や「予知」ではなく、あくまでも「助言」であり、「アドバイス」の一つです。

仮に、自分が望んでいるような「いい結果」が得られたとしても、それに舞い上がって思考を停止させてしまったり、アドバイスを実行に移さなければ、状況は何も変わらなくなってしまいます。

占いは現時点で想定される「未来予想図」であり、それを実現できるか否かは相談者本人の考え方と行動にかかっています。

いい結果に満足するのではなく、それをモチベーションを上げるための「好材料」くらいに考える必要があります。

【注意点②】悪い結果は「注意喚起」と受け止める

占いのいい結果に舞い上がらないのと同じく、それが仮に悪い結果だったとしても、絶望したり、落ち込んだりする必要はありません。

現時点で望んでいるような結果でなくても、前を向いて歩みを進めていけば、状況はどのようにでも変わっていきます。

大事なポイントは、どのような結果であっても一喜一憂せず、それを「注意喚起」と受け止めてポジティブな気持ちで行動することです。

悪い結果に気落ちして何も行動に移さなければ、本当に悪い方向に進むことになってしまいます。