パワーカップルは何を節約していいかわからない

先にもお話ししましたが、家計相談にいらっしゃる方の多くは、平均以上の収入があります。いわゆる稼いでいる人たちです。共働きで「パワーカップル」と呼ばれるように2馬力でバリバリ収入を得ている家庭もあります。「これだけ稼いでいたら、お金は貯まるのでは?」と思うほどの収入があるにもかかわらず、なぜか家計は赤字。支出も派手です(笑)。

私たちのところに家計相談に来た方にまず見せていただくのが、ここ数カ月の家計簿です。まず月ごとの収支を見せていただき、そこから削れそうだなと思える項目、平均にくらべて支出が多めの項目をチェックし、その中から「削れないか?」「削れるとしたらどの程度削れるか?」を見ていきます。

どこを節約していいか? がわからない

標準にくらべて高いと感じる項目には赤い丸をつけ、その支出を削れるか? 削れないか? を一緒に見ながら青で書き込んでいきます。この1回目の相談で、「貯められる人か? 貯められない人か?」はよくわかります。

貯められない人に多いのが、赤丸はいっぱいついているのに、青いマークが全然つかないというパターンです。客観的には削れる箇所はたくさんあるのに、本人は削れると考えていないのです。私から見ると、「ここは支出を削れるのではないか?」と思ってお話しをするのですが、「え、どこを削ればいいんですか?」という反応の方もいらっしゃいます。だから、なかなか支出の縮小につながりません。

貯めたい気持ちがあったとしても、自分の中で妥協できないことが多いと残念ながら何も変わりません。

お金が貯められる人の支出の割合

そのような場合には、一般的な支出の割合をお話しするようにしています。比較対象があることで「自分の家は平均と比べて支出が多いのか、少ないのか?」を客観視することができるのです。

たとえば、支出の理想的な割合は次の通りです。手取りの金額を100%とした場合、一番割合の大きい住居費(持ち家の場合は住宅ローン、賃貸の場合は家賃)は25%、食費は14%、教育費は3%、被服費は2%となっています。

たとえば、手取り額が35万円の家庭の場合なら、食費は4万9000円、教育費は月1万5000円、被服費は月7000円です。これは私がこれまで相談を受けてきたなかでまとめた、あくまでも「目安」です。なので、預貯金以外の部分で調整できればまったく問題ありません。

ただ、これに照らし合わせて考えてみると、食費や教育費が10万円を超えるのは明らかに多すぎるかもしれません。食費が20%を超える場合には多少なりとも見直したほうがいいでしょう。