お風呂に入れないときは「手洗い」で眠気を引き起こす

就寝90分前の入浴は眠気を引き起こすのに効果的ですが、寝る前にお風呂に入ったりシャワーを浴びたりする時間がなくても、大丈夫です。

温水や冷水で手を洗っても同じ効果が得られます。手のひらなど体毛のない身体の表面は熱を放出しやすく、面積は小さくても、熱を逃がすのに役立つ血管が多く張りめぐらされているからです。

手を洗ったら、完全に乾かさずに皮膚を軽くたたきましょう。水が蒸発するときに、皮膚の表面から熱が放散して、身体の深部体温を下げてくれます。

また、毎晩ぐっすりと眠れるラッキーな人には、共通点がひとつあるようです――就寝時刻の少なくとも2時間前に仕事や家事などの作業を終わらせていることです。

ただし、ひとつだけ後にとっておくべきことがあります。夕食後に食洗機に皿を入れるのではなく、寝る前に手洗いをするのです。

フロリダ州立大学の研究から、シンクで皿を洗うことが心を落ち着かせ、ストレスを減らすことがわかっています。そのときに気をつけたいのが、食器用洗剤を使って、1枚1枚ていねいに洗うということ。

洗剤の匂い、泡の感触、肌にあたる水の温度に意識を向けて、集中します。こうすることで、いわゆる「マインドフルネス(※)」な状態になれるのです。

※マインドフルネス ……「すでにそこにあるもの・こと」をていねいに体験していこうとする意識状態のこと。

このやり方で食器を洗った人は、不安が27%減少したそうです。

夜寝るためのアラームを設定する

朝起きるために目覚ましをセットするのと同じように、夜にアラームを設定して、眠る準備を始める時間を自分に知らせることをおすすめします。

寝る直前まで身体と頭をフル回転させていては、すんなりとスイッチを切るのが難しくなります。

アラームを合図に、脳と身体を活発に動かす日中の活動(仕事、Facebook、運動、インターネット検索など)から、読書やゆったりした音楽を聞くといった心地良い「夜の時間」の活動へと移行しましょう。

心を落ち着ける活動をすることで、動作がゆっくりになり、睡眠と相性の良い静かな作業に心が向くようになります。

アラーム音は刺激の少ないものを選び、就寝時刻の40分から1時間くらい前に設定してください。アラームが鳴る前に、できれば必要な翌日の準備(アイロンがけ、子どものお弁当の下ごしらえなど)をすべて終えておきましょう。夜のダウンタイムの時間にもうひとがんばりせずに済みます。

アラームをオフにしたら、まずは深呼吸を。こうすることで、脳に、「スローダウンしてリラックスする時間だよ」というメッセージを送ることができます。