心臓に寄生する「エイリアン脂肪」
もう1つ怖いのが、心臓に付着した異所性脂肪です。知らず知らずのうちに、心臓の血管に悪影響を及ぼして、やがて心筋梗塞などの重大な病気を引き起こします。
心臓に付着した異所性脂肪は、心臓に血液を送る冠動脈などに細い血管を伸ばし、異所性脂肪を異物と見なした白血球の一種であるマクロファージが出す「毒素」を送り込んで血管に炎症を起こして、ひそかに動脈硬化を進めてしまうと考えられています。
異所性脂肪はひっそりと心臓に寄生するかのように付着し、命を奪っていくことから「エイリアン脂肪」という異名を持ちます。
内臓脂肪を落とすことで、この恐ろしい「エイリアン脂肪」の魔の手からも逃れることができます。
血管若返りのカギを握る「一酸化窒素」
内臓脂肪を落とすには、食事の管理だけでなく、運動や体を動かすことが重要であることは、誰もがなんとなく実感しているところでしょう。同様に、血管若返りのためにも、体を動かすことが欠かせません。
血管の若返りに働くのが、血管内の「NO(一酸化窒素)」です。NOは血管の若さを保ち、衰えてきた機能を回復するためのさまざまな働きを担う、「血管若返り物質」といえるものです。
NOの具体的な働きは次のとおりです。
・血管をしなやかに保つ
・血圧を下げる
・傷ついた血管を修復する
ここから、NOが血管にとって、いかに重要な役割を果たしているかがおわかりいただけると思います。そして、「体を動かすこと」こそNO、つまりは「血管若返り物質」の分泌スイッチを押すことにつながるのです。