ドキドキすると、自律神経の交感神経が優位になって血管が収縮し、ほっとすると副交感神経が優位になって血管が拡張します。

つまり、ドキドキは短時間の正座と同じ刺激、ほっとするのは立ち上がるのと同様の緩みとなって、NOの分泌スイッチが「オン」になるというわけです。

筋肉をつけると健康寿命が延びる

年齢を重ねると筋肉量は徐々に減少していきますが、逆に筋肉量を維持できれば、さまざまなメリットがあります。

適度な筋肉量を維持していると、血管だけでなく、姿勢も保持しやすくなって、見た目の印象がぐっと若返ります。また、筋肉を動かすことで、摂りすぎた糖質や脂質を筋肉がエネルギーとして消費してくれるため、内臓脂肪として溜め込まれることなく、代謝も落ちないので、自然に太りにくい体ができていきます。

「疲れやすくなった」「最近、よくつまずく」「ひざや腰が痛い」といった老化現象も、筋肉量が減って体力や運動能力が低下することで引き起こされているケースが少なくありません。首や肩が凝って頭痛が生じたり、胃が圧迫されて胃酸が食道へ逆流して胸やけの原因になることもあります。

ところが筋肉がつくだけで、これらの慢性的な不調も改善されることがあります。

サルコペニアやフレイルの予防にも

意識して良い姿勢を保つだけでも筋肉は使われるので、緩やかな筋トレにもなります。

筋肉がしっかりつくと、体を動かすことが苦ではなくなるため、自然と早く歩いたり、さっさと階段を上ったりできるようになります。また、そうすることで筋肉がより鍛えられるという好循環が生まれます。

人生100年時代にあって、高齢者にとって大きな課題となるのが、「サルコペニア」「フレイル」です。いずれも筋肉の衰えが大きく影響を及ぼします。

サルコペニアは「加齢による筋肉量の減少および筋力の低下」を指し、サルコペニアになると、歩く、立ち上がるなどの日常生活の基本的な動作に影響が生じ、介護が必要になったり、転倒しやすくなったりします。

一方のフレイルは「加齢によって心身が疲れやすく弱った状態」を指し、生活の質の低下や、さまざまな合併症を引き起こす危険性があります。そして、多くの方がフレイルを経て要介護状態へと進むと考えられています。また、サルコペニアはフレイルの原因のひとつとしても位置付けられています。

自立した生活が送れる期間を示す「健康寿命」を延ばすためにも、筋肉は重要だということです。