部下から好かれる上司と、嫌われる上司の違いは何か。福厳寺住職でYouTuberの大愚元勝さんは「ブッダは弟子たちに『話し方』に注意するよう口酸っぱく指導していた。下手な指導者は、感情に任せて部下を脅したりコントロールしようとしたりするが、巧みな指導者は決して荒々しい言葉を使わない」という――。
仏像
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部下が会社を辞めてしまう本当の理由

いつの時代にも、会社には2種類の上司がいます。

部下を育てられる上司と、部下を辞めさせる上司です。

もちろん色々な部下がいますから、上司ばかりが責められるべきではありません。それでもやはり、部下を育てられる上司と、辞めさせる上司がいるのです。

「給料に満足していない」「休みが少ない」など、部下はさまざまな理由で会社を辞めますが、その背景には「上司が嫌い」という本音が隠れていることが多いのです。

残念ながら、部下を辞めさせる上司は、辞めた部下からも、まだ会社を辞めていない部下からも嫌われています。

当然ながら、部下を辞めさせる上司は、会社からも、上司として評価されません。

嫌われる上司は自分の役割を分かっていない

部下に嫌われる上司には、共通点があります。

インターネットで「部下を辞めさせる上司」とか「嫌われる上司」などと検索すると、嫌われる上司に共通する特徴がいくつも出てきます。

例えば、

・威圧的、高圧的
・仕事をちゃんと教えてくれない
・仕事を投げっぱなしでフォローしてくれない
・自分のミスをなすりつける
・自分の価値観ばかりを押し付ける
・自分が好きな部下ばかりエコひいきして、正当な評価をしてくれない
・偉そうな割には、公私混同
・感情的かつ陰湿
・説教時間が多くて長い
・異性として接してくる
・イヤミ、余計な一言が多い
・部下の言いなり
・自分の失敗を他人のせいにする
・部下の意見を頭ごなしに否定する
・仕事を任せてくれない

などなど。

実は、こうした上司の部下への接し方の裏には、上司自身が「上司として果たすべき役割」を分かっていないことがあります。