筆者が「ユーチューバー」になった理由
私自身、新聞記者を辞めてフリージャーナリスト、ユーチューバーとして独立したのも、そのような大きな時代の変化を感じ取ったからだ。
マスコミが情報の発信源を握り、多くの人々がテレビ新聞からニュースを得ていた時代はデジタル化とともに終わった。
単に媒体が紙やテレビからネットに移っただけでなく、ブログやSNSなどを使って誰もが発信主体となる「一億総発信社会」を生み、魅力あるインフルエンサーがマスコミよりも影響力を持っている。
こうした変化によって、今までマスコミが無視をしてきた問題が、さまざまなネットメディアや個人に取り上げられるようになり、暗黙のルールによって歪められてきた報道が是正されていく機会も多くなるだろう。
もちろん、それらは玉石混交で、陰謀論のようなデマを振りまく人が多いのも事実だ。
新しい時代に健全な報道を根付かせるためには、きちんとした取材力を持った個人ジャーナリストを育てていく必要があり、私も新しいメディアの形を模索している者として、その一助を担っていきたいと思う。
一方、マスコミもデジタル化の影響を受けて空中分解をする中で、会社員である記者集団から個人ジャーナリストの集まりへと変化する可能性があり、報道の未来はまだまだ流動的だ。
このように、デジタル化によって「一億総発信社会」となる中、報道もマスコミの特権から万人のものへと変わりつつある。
ジャニー氏による性加害問題の再発掘は、そのことを端的に示しているのである。