新NISAのスタートが近づき、インデックス投資への注目が集まっている。経済コラムニストの大江英樹さんは「インデックス投資は優れた投資手法だが、インデックス投資なら何でもいいというわけではない。世界最高の投資家といわれるウォーレン・バフェットは相続財産の9割をあるインデックス投資で運用するよう妻に指示した」という――。
インデックス投資を誤解していないか
最近では投資の手法としてインデックス投資が有効だという認識が広がりつつあります。私もインデックス投資は優れた投資手法だと思うのでこれは良い傾向だと思っています。ところが色々な記事やブログなどを読むと、どうもインデックス投資について、微妙な誤解が生じているようにも思えます。
具体的に言うと、パッシブ運用とインデックス運用を混同しているのではないか? ということです。この2つは似ているのですが内容は異なります。これを間違えてしまうと投資でうまくいかないことが往々にして起こり得るので、この違いはぜひ知っておいていただきたいと思います。
パッシブ型とインデックス型はどう違うのか
投資信託でインデックス型といわれているものの反対にあるのがアクティブ型だと解説されています。でもこれは必ずしも正確ではありません。アクティブ型の対極にあるのはインデックス型ではなくパッシブ型なのです。
そもそもパッシブ型とインデックス型はどう違うのでしょう。パッシブという言葉は「受動的」と訳されます。つまりマーケット全体、もっと言えば全世界の市場の動きに連動するように運用するのがパッシブなのです。これに対してインデックスというのは「指数」という意味です。指数とは例えば日本では日経平均やTOPIX、アメリカで言えばS&P500やNYダウ平均のことです。正確に言えばインデックス型というのはこのような各種の指数に連動することを目標とした投資信託のことです。