人生の軸を使って幸福度を高めよう

どんな欲望を持っているのか抽象化できたら、人生の軸を抽出しましょう。

「アメリカ旅行に行きたい」から見えた「新しい場所に行って好奇心を満たしたい」という欲望と、「文章術を学びたい」から導き出された「新しいことを勉強したい」という欲望の共通点を考えます。

この例の場合だと、どうやら自分にとっては「好奇心を満たすこと」が大事だとわかります。共通点として導き出された「好奇心を満たすこと」というこの一文こそが人生の軸です。

実際には、100個のやりたいことを抽象化した欲望から共通点を探すので、いくつかの軸が見つかります。

このいくつかの人生の軸を合わせて文章にしてみましょう。

私の場合は、

基盤は「シンプル」に生きること。頭がスッキリしている状態が好き。そして、新しいことに挑戦し続けて、最終的には自分が「好奇心」を感じる分野で影響力を高め続けていきたい。それに「夢中」になり続けられたら、それが最高の人生。

というように文章化しています。ポイントは、「シンプル」「好奇心」「夢中」というように、人生の軸の中でも自分にとって基盤となるようなもの3つに絞ることです。多すぎても行動に移しにくいからです。

同じ理由で、「シンプル」「好奇心」「夢中」という軸を動詞化するのも大切です。「シンプル」という言葉だけでは、どうシンプルなのかがわかりにくいので、「シンプルに生きる」と言い換えています。

この文章化は、やりたいことリストを人生に活かす重要なステップです。というのも、人生の方針は意識していないと行動に移せないことが多いからです。一つ一つのやりたいことを常に意識するのは難しいです。短くまとめた人生の軸の文章を意識して、文章から導き出されるちょっとした行動をとるようにしましょう。

たとえば、「好奇心を満たす」という軸から、私は「コンビニで新商品が出たら買うようにする」「動画撮影では毎回話の入り口を変える」というような行動をとるようにしています。

大したことないじゃないと思われるかもしれませんが、日々の一つ一つの決定を自分でしているという「自己決定」の意識を積み重ねることが、人生の幸福度を高めます。

最高の人生は意外と簡単に実現する

人生の軸を見つけると、今の仕事や生活の環境が、自分にふさわしくないものだと気づく方もいるかもしれません。とはいえ、「ありのままの自分でいたいという軸に反するので、この仕事はしません」というような言動が簡単に許されるわけではありません。人生の軸を優先しすぎると、社会ではハレーションを起こすことがあります。

本音では「怖いことなんて何もないから、仕事も生活もやりたいように変えればいい」とアドバイスします。

ただ、現実的には生活を支える収入も必要ですから、社会の要請を受けつつ、副業などで人生の軸を充実させるのが無難かもしれません。

しかし、人間の脳は質問を投げかけられると、その答えを考えるようにできています。ですから、人生の軸がきちんと定まって、「軸に従って生きるにはどうすればいい?」という問いが明確になっていれば、人生の目標を叶える方法は意外と簡単に思いつくことが多いのです。

自分で決めた人生を切り拓いて、幸せに生きられる世界をつくってみてはいかがでしょうか。

ジャンルごとに書き出してみよう!やりたいことリスト
(構成=プレジデント編集部)
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