やりたいことは、とにかく欲望のままに書いて構いません。ただ、欲望に忠実になるのが大切です。たとえば、「年収1000万円ほしい」というのであれば、「1億円は不必要、1000万円で満足できる」ということをはっきりさせましょう。もし、「5000万円」のほうがいいなら、そのように書くべきです。

「自分の本音を書けていないのではないか」と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。たしかに、未来にやってみたいことというのは、まだ実現していないことですから、本当にやりたいことなのかわかりません。しかし、過去に楽しかった出来事は変わりません。そこで、過去に楽しかったことを基準に未来にやってみたいことを考えるというのもおすすめの方法です。図の過去を思い出すための質問も参考にしてみてください。

記憶をたどればやりたいことがわかる!過去を思い出すための10の質問

書き出した欲望を価値観に落とし込む

人生の軸を見つけるステップとして、書き出した欲望を抽象化しましょう。

たとえば、やりたいことに「アメリカ旅行に行きたい」というものがあるのなら、「新しい場所に行って好奇心を満たしたい」と抽象化できます。「文章術を学びたい」のなら「新しいことを勉強したい」ということになるかもしれません。

抽象化することで、「好奇心を満たしたい」「新しいことを勉強したい」のように、あなたの欲望のより本質的な部分を言語化することが大切です。

抽象化の仕方に正解はありません。「アメリカ旅行に行きたい」にしても、人によっては「英語で話す機会がほしい」というように抽象化できるかもしれません。自分の欲望と向き合って抽象化するのが大切です。

自分の欲望と向き合うためのコツとして、「それは何のため?」を繰り返す方法があります。「お金持ちになりたい」という欲望も、「それは何のため?」という問いを投げかけると、「世界旅行をしたいから」なのか、「人から尊敬されたいから」なのか、人によって大きな差があります。

「世界旅行をしたい」「それは何のため?」「ビーチでゆっくり過ごしたい」「それは何のため?」「リラックスするため」

「人から尊敬されたい」「それは何のため?」「人から大事にしてもらえる」「それは何のため?」「ありのままの自分でいたい」

というように、同じ「お金持ちになりたい」という欲望でも、「それは何のため?」を繰り返すと、まったく異なる本質が見えてくるはずです。

また、「価値観リスト100」(詳細は本誌参照)を使うのもおすすめです。人が大事にする価値観をほぼ網羅できるように100個リストにしています。やりたいことを抽象化して、リストの価値観に近いものが出てきたのなら、欲望の抽象化に成功したと考えていいでしょう。

抽象化がうまくできないときは、そのやりたいことがリストの価値観の中ではどれに近いのかを考えることで、抽象化をサポートしてくれるでしょう。

やりたいことを価値観に落とし込もう 人が大事にする価値観リスト100