公的な仕事を委託された民間企業は「公務員並み」に

最後に「まっとうな政治」です。政治への信頼がなければ、ここまで説明してきたような「支え合う社会」や経済のシステムを機能させることはできません。

最近5年から10年で明確になったことは「民営化」とか「民間委託」はもう時代遅れだ、ということです。行政がやるべきことを民間に委託しているため、議会のチェックが働かなくなり、無駄や利権が生じています。コロナ禍の時の持続化給付金事業が電通に丸投げされ、再委託や外注が繰り返された話は、その典型です。

情報公開と公文書管理を抜本的に強化する必要があります。給付金を配るような公的な仕事を民間企業に委託するなら、その企業は公文書管理法と情報公開法の対象にして、担当幹部は役所の局長と同様、政府参考人として国会に出席する義務を課すべきです。

「令和の鈴木貫太郎」になりたい

立憲民主党の代表を辞任して約2年。この間、自分なりに新たな学びがありました。党運営については今の執行部には口を出さない考えでいますが、結党の経緯を考えれば、党の理念やビジョンを発信する役割は、私にもあると思います。そのことへのニーズもあるようですし。

今後は積極的に、立憲民主党の理念と、目指す社会の姿について発信する責任があると、強く思っています。

政治家として30周年を迎え、今後の自分の役割を考えることがあります。それは、高度成長を前提とした時代の政治を終わらせて、次の時代の扉を開くことです。よく「総理大臣になる気はあるのか」と聞かれるのですが、その意味で私は「令和の鈴木貫太郎」になりたいと思っています。

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