取引先に送るリマインドメールのポイント
相手が取引先となると、部下のようにはいきません。会社同士の関係性を壊さないためにも、丁寧な戦略が必要です。
まずは、締め切り前に「リマインドメール」を送ることをお勧めします。たとえば締め切りの3日前に「念のためのリマインドメールです。お願いした○○の件、かなり手間のかかる内容かと思いますが、進捗は問題ないでしょうか。今月末の納品をお待ちしております」といった内容のメールです。
ポイントは、「あくまでも形式的に送っている」という体裁にすることです。「あなたを信用していないから送っているのだ」と受け取られないよう、気をつけましょう。
このメールには、あわせて「もし、何らかの理由で今月末の締め切りに間に合わせるのが難しくなった場合は、すぐにご連絡ください。私どもも一緒に解決策を考えて、適切に対応していきたいと思っています」など、「遅れる場合は締め切り当日に言うのではなく、早めに伝えてほしい」というニュアンスで伝えておきます。また、「遅れそうな場合もサポートする」という姿勢を見せると、遅れる場合も連絡しやすくなるでしょう。
ただ、取引先にも、時間にルーズで、締め切りを守らない常習犯のような人はいるでしょう。その場合は、連絡先のCCに相手方の上司を入れるなど、1対1ではないメッセージとして送っておくとよいでしょう。
催促メールをどう書くか
すでに締め切りを過ぎてしまったときの、催促の連絡も神経を使います。いきなり非難し、「遅れているから早くしてほしい」と責め立てるような文面にならないよう、まずは共感から入ります。たとえば「とてもお忙しいなか、厳しい納期のお仕事をお願いしており申し訳ありません。なかなか計画通りに進まないこともあるかと思いますが、昨日が締め切りになっていた○○の進捗状況はいかがでしょうか」と、相手に寄り添い、進捗状況を聞きます。
そこで相手から「すみません。ちょっと遅れています」と返事がきたら、返事をくれたことへのお礼を伝えたうえで、「これが遅れると、今後どんな影響が起きてしまうか」について具体的に伝えます。たとえば「追加のコストが発生してしまう」「商品の発売が遅れてしまう」「ほかの工程で遅れを回収しなくてはならなくなる」などです。このときの主語は「私」ではなく「私たち」「私たちチーム」「当社」などと広めに表現すると、遅れの影響の大きさが伝わりますし、「私が困っている」と言うよりも角が立ちません。
さらに、こちらが許容できる期限の範囲を示します。「あと最長3日は待てますが、それ以上になると大変難しいです。現実的に、いつごろお送りいただけますでしょうか」と、相手から回答をもらうようにします。
単に「期限を過ぎたので早くしてください」と伝えるだけでは、謝罪する返信が来るばかりで、現実的な次のアクションにつながりません。締め切りが守れなかったのであれば、こちらからどのような支援をすれば早く提出してもらえるのか、次の現実的な締め切りはいつか、などを聞くことで、こちらも対応しやすくなります。