新日本製鉄と住友金属工業が10月1日付で合併して誕生する「新日鉄住金」に、スタートから暗雲が垂れ込めている。合併直前の2012年9月中間期決算に、新日鉄、住金が合計約2400億円に達する巨額な特別損失を計上するからだ。

この結果、同期の最終損益は、新日鉄が1550億円、住金は1280億円とともに赤字が拡大する。「合併前に財務リストラを優先し、負の遺産を持ち込まない」(新日鉄幹部)覚悟を示したとはいえ、粗鋼生産で世界第2位メーカーの誕生は、マイナスからの厳しいスタートという現実を突き付けられた。

【関連記事】
オリンパス、テルモ乱入で支援先決まらず財務悪化
一時株価100円割れ! NEC復活への正念場
トヨタがBMWとの提携拡大、燃料電池車で先行狙う
消費税増税で大手紙「負け組」ますます苦境
M&A -日本基準とIFRSの考え方の違い