9月28日に正式に発足した新党「日本維新の会」の支持率が急降下している。9月20日実施のフジテレビ「新報道2001」(9月23日放送)の世論調査では、維新の首都圏での支持率は4.8%。9月13日の9.4%から、わずか1週間で半減した。改革の旗頭である橋下徹大阪市長が次期衆院選挙の不出馬を明言。
「橋下抜きでは大したことはできない」との見方が広まったことが大きい。
「維新に合流する国会議員を選定する9月9日の公開討論会の影響もありますね。討論会の発言者はほとんど橋下氏。合流議員の中で最もキャリアがある松野頼久元官房副長官が何かしゃべろうとしても司会役にさえぎられ、小物扱いというかさらし者にされた。主役の橋下氏は出馬しないし、松野氏ら国会議員も国民には頼りなく見えた」(全国紙政治部デスク)
橋下氏を支えてきた維新の地方議員と国会議員団との軋轢も表面化している。国会議員団には、地方議員団より格上という思いがある。一方、地方議員には維新をつくったのはわれわれだという自負があり、途中から合流した国会議員に大きな顔をされるのは当然ながら許せない。
「維新の執行役員会は橋下、松井一郎大阪府知事らの首長と地方議員が牛耳っている。ある執行役員はオフレコでいわく“国会議員はクズがいい”。国会議員を合流させたのは中央政党としての要件(国会議員5人以上など)を満たすための手段にすぎず、国会議員に力を持たせたくないのです」(在阪のジャーナリスト)
こうした力関係を反映し、維新では国会議員団と地方議員団は同格。国会議員団は橋下氏ら執行役員会にお伺いを立てねばならない仕組みだ。
「特に、大阪府議出身で維新ナンバー2の松井氏が国会議員団を強く牽制している。みんなの党と維新が連携できなかったのも、松井氏と江田憲司氏(みんなの党幹事長)の不仲が原因とされる。旧通産官僚出身で国会議員の江田氏の“格上意識”に松井氏が反発。“維新と組みたいなら、みんなの党を解党しろ”と難題を課して関係をご破算にしたのです。両党が選挙協力したら、小選挙区で100議席確保可能との予測もあったのに、もったいない」(前出ジャーナリスト)
組織を束ねるのは容易ではない。