戦場(=子育て)では自分を後回しにしがち

自分自身のケアがすべての土台。けれども、戦場(=子育て)においては、多くの親御さんは、自分のことはつい後回しにしがちです。しかも本人が落ち込めば落ち込むほど、さらに後回しになっていくという悪循環に陥っていきます。

本書でも話していきますが、心がうつっぽくなると、

・同じことでも、より自分を責める思考になる(「自責スイッチ」と呼んでいます)

・同じ刺激でも、よりイライラする

・ほかの人から「休んだほうがいい」と言われても「休めない」とムキになる

・状況が悪化するほど相談できなくなる

などの症状が、だれにでも現れてきます。状況が深刻になってから、何か対策しようとしても、すでにいつもどおりには動けなくなっていることがほとんどです。

「待ったなし」の現場においては、どんなことも早め早めに対策をしておくことが大事。この本では、そのための知識とノウハウをなるべくやさしく、ポイントを絞ってご紹介していきます。

現代は子育てを「こじらせてしまうポイント」が多い

さて、子育ては「戦場」だと言いました。

下園壮太(著)、ひえじまゆりこ(イラスト)『ワーママが無理ゲーすぎてメンタルがやばいのでカウンセラーの先生に聞いてみた。』(時事通信社)
下園壮太(著)、ひえじまゆりこ(イラスト)『ワーママが無理ゲーすぎてメンタルがやばいのでカウンセラーの先生に聞いてみた。』(時事通信社)

誤解しないでいただきたいのですが、本来、私たち人間にとって、命を授かり、育んでいく体験はすばらしいものであり、喜びを感じられるものです。身近に子どもの成長を見て、子育てのスキルを学ぶことで、今まで見えなかった世界を知り、視野がグンと広がります。また、仕事との両立を試行錯誤する中で経験を深めれば、人としても社会人としても、大きくたくましく成長できるチャンスになるでしょう。また、中には、悩みや不調を抱えすぎることなく子育てに向き合えているママもいることでしょう。子育ては本来、楽しいものなんです。

ただし、私の観測では、少しばかり現代は、子育て活動をこじらせてしまうポイントが多すぎてしまうようです。本来の喜びを感じられるようになるためにも、子育て中の方は、まずは「自分自身のケア」について、この本を通じて知ってほしいです。

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